約20年間も不動を保ち、歴代最長ラインナップを誇っている現行DEEP PURPLE。その最初のフルショウを記録したプロショットが登場です。そんな本作が撮影されたのは「2002年3月17日サンクトペテルブルク公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。ジョン・ロードの離脱に伴ってドン・エイリーが加入したわけですが、その交代劇はやや複雑。その辺の状況を確かめる意味でも、まずは当時のスケジュールから振り返ってみましょう。2001年・3月4日ー4月1日:オセアニア/アジア#1(15公演)・5月29日:モデナ公演・6月2日ー7月8日:北米#1(25公演)《ジョン・ロードが膝を故障→ドン・エイリー参加》 ・8月9日ー9月5日:欧州#1(21公演)2002年・2月4日ー3月4日:英国(16公演)《ジョン脱退→ドン正式加入》・3月17日ー30日:欧州#2(10公演)←★ココ★・4月30日ー5月9日:アジア#2(5公演)・5月31日ー8月4日:北米#2(41公演)・8月27日ー9月25日:欧州33(22公演)←※公式LIVE AT THE NEC これが2001年/2002年のDEEP PURPLE。2000年にはロイヤル・フィル・ハーモニック再演作品をリリースしましたが、その後はツアー三昧の日々に回帰しました。ところが全米ツアーを終えたところでジョン・ロードの膝に故障が発生。ドン・エイリーをサポートに迎えることになりました。しばらくドンはサポート止まりだったのですが、約半年後の2002年3月、ジョンがパープルから離脱を表明。ドンが正式なキーボーディストとして加入したわけです。こうして現行ラインナップが完成した彼らの初仕事は、東欧でのミニ・ツアー。本作のサンクトペテルブルク公演こそがその初日なのです。そんな歴史的なショウで記録された本作は、ビビッドに美しいプロショット。マイク録音のような音色やざっくりしたカメラワークに当時ロック発展途上国だったロシアらしさが滲むのですが、マスター鮮度は驚異的。ダビング痕やテープヨレがほとんど見られず、発色も超ビビッド。あまりに発色が強くて色滲みするシーンもなくはないものの、それでディテールが潰れないから素晴らしい。ドンの髪の毛の1本1本やモーズのバッキバキにキレた上腕二頭筋も鮮やかですし、ギランの最アップでは生えかけのヒゲまで見える。ここまで画質が良いと、イモっぽいカメラワークさえも手作り感が愛おしく感じられてくるほどです。その映像美で描かれるのは、レアな復活クラシックスもたっぷりのフルショウ。2002年の映像と言えば公式作『LIVE AT THE NEC』も有名ですが、本作のセットは似て非なるもの。ここで比較しながら整理してみましょう。クラシックス・イン・ロック:Child In Time(★)/Speed King・ファイアボール:No One Came(★)/Fools(★)・マシン・ヘッド:Lazy/Smoke On The Water/Highway Star・紫の肖像:Woman From Tokyo/Mary Long・その他:When A Blind Man Cries/Hush 80年代以降・パーフェクト・ストレンジャーズ:Perfect Strangers・その他:Vavoom: Ted The Mechanic/The Aviator(★)/The Well-Dressed Guitar※注:「★」印は公式映像『LIVE AT THE NEC』で観られない曲。……と、このようになっています。『LIVE AT THE NEC』とは違ってジョンのゲスト参加はありませんが、セットはさらに美味しい。今となってはお馴染み感もある「When A Blind Man Cries」だけでなく「No One Came」「Mary Long」と美味しいナンバーが大盤振る舞い。特に「Fools」は2000年の日本公演で初披露されたことも思い出深いところですが、演奏されたのは2002年までの限定曲。同じく「The Aviator」も2002年までですし、新旧の貴重曲が目白押しなのです。かつてDEEP PURPLEと言えばメンバーチェンジの多いバンドの代表格でしたが、その歴史は本作を持って終わりました。その後20年にわたって誰ひとり代わることのなかった“歴代最長の5人”。その最初の夜をマルチカメラ・プロショットで楽しめる1枚。ドン・エイリーが正式加入した初日「2002年3月17日サンクトペテルブルク公演」のマルチカメラ・プロショット。マイク録音のような音色やざっくりしたカメラワークにロシアらしさが滲むのですが、マスター鮮度は驚異的。ダビング痕やテープヨレがほとんど見られず、発色も超ビビッド。ドンの髪の毛の1本1本やモーズの上腕二頭筋も鮮やかですし、ギランの最アップでは生えかけのヒゲまで見える。「No One Came」「Mary Long」「Fools」など、美味しいレア曲もたっぷりのフルショウを楽しめます。Live at Ledovy Dvorets, Saint Petersburg, Russia 17th March 2002 PRO-SHOT 1. Woman From Tokyo 2. Vavoom: Ted The Mechanic 3. Mary Long 4. Lazy 5. Child In Time 6. The Aviator 7. No One Came 8. The Well-Dressed Guitar 9. Fools 10. Keyboard Solo 11. Perfect Strangers 12. When A Blind Man Cries 13. Guitar Solo 14. Smoke On The Water 15. Speed King 16. Hush 17. Highway Star Ian Gillan - vocals Steve Morse - guitar Roger Glover - bass Don Airey - keyboards Ian Paice - drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.119min.