フィル・アンセルモそっくりな怒号で新時代を嘱望されつつ、泡沫に終わってしまったダン・ネルソン時代。その真価を目撃できる極上映像が登場です。そんな本作に収められているのは3つの衝撃映像。「2008年8月17日:東豆川市(韓国)」公演のスクリーン・ショットをメインに、「2009年2月5日ニューヨーク公演」の最前列ショット、「同6月20日ビルバオ公演」のマルチカメラ・プロショットをボーナス収録した決定盤です。ネルソン時代と言えば一夜限りの来日公演も実現しましたが、その前後にはジョン・ブッシュやジョーイ・ベラドナの出入りも激しく、やや判然としない時期でもありました。良い機会ですので、当時の活動概要から整理してみましょう。《2007年12月:ダン・ネルソン加入》2008年・5月28日ー6月22日;北米#1(4公演)・8月15日+17日:日本&韓国(2公演) ←★本作メイン★ 2009年・2月5日:ニューヨーク公演 ←★本作ボーナス★・3月7日:コロンビア公演・6月13日ー7月4日:欧州#1(17公演) ←★本作ボーナス★・7月9日:Rocklahoma 2009出演《ネルソン離脱→ジョン・ブッシュ一時復帰》・7月30日+8月1日:欧州#2(2公演)・10月17日:Loud Park 2009出演・11月15日:Best Buy開店イベント(シンガー不在)2010年・2月20日ー3月1日:豪州(5公演)《ブッシュ脱退→ジョーイ・ベラドナ再復帰》これがダン・ネルソン加入から(現在に続く)ベラドナ再復帰までの歩み。2006年までリユニオン・ツアーを行っていた彼らは2007年に入ると解体。コリィ・テイラー加入を画策するなど、ほぼ丸1年の活動休止を経て2007年末にネルソンが加入します。2008年からは新作『WORSHIP MUSIC』に取りかかりつつショーケース的なギグをいくつかこなし、2009年夏にやっとツアー活動を開始。いよいよ本格始動!と思いきや、そこから1ヶ月も経たずしてネルソンが離脱。ジョン・ブッシュのヘルプで何とかツアーを完遂しました。その間、ネルソン時代のライヴはわずか26回のみ。あまりにも短い泡沫の時代でした。前述した来日公演は、その中でも極初期となる2008年8月。本作の韓国公演は、その2日後となる次公演でした。そんな貴重なショウで記録された本作は、「まるでプロショット」としか言いようがない凄まじいスクリーン・ショット。会場後方からの円形で始まるのですが、そこからステージ脇のスクリーンに向かってグイグイとズーム、画面いっぱいにスクリーンが大写しになると、そこから終演まで微動だにしない。完全にマルチカメラ・プロショットそのものな光景が最後まで続くのです。しかも、そのプロショット感を高めているのが音声。カメラ付属のマイク録音のようなのですが。現場は野外の特設ステージで音を反射する天井も壁もない。PAが吐き出す出音を反響ゼロで拾っており、こちらもサウンドボードにしか聞こえないレベルなのです。そのクオリティで描かれるのは「アンセルモの再来」と言われたネルソンのヴォーカルでアグレッション大増量となったフルショウ。とにかくカッコイイ。ブッシュ時代の曲は違和感なく鋭さが増しており、80年代の代表曲群は雄々しく激しい。単にシャウトがド迫力なのではなく、地声のトーンがダンディだからヒロイックに響く。PANTERAの「A New Level」もカバーしていますが、まさにアンセルモの再来。歴代で最もスラッシュ・メタル然としたカッコ良さを体現した逸材だったのです。「まるでプロショット」なスクリーン・ショットだけでもお腹いっぱいですが、さらに追加されたボーナス映像もプロショット的。まず「2月5日ニューヨーク公演」ですが、これが驚きの最前列ショット。完全にカメラピット目線でネルソンも目の前なのです。しかも、このショウは曰く付き。スノーボード大会にイベント出演したのですが、大会そのものが長引き、本来45分の持ち時間がわずか3曲に短縮されてしまった。しかも、3曲目の「Bring The Noise」が終わる前にPAが絞られてしまい、ゲストだったChuck Dの声が途中で聞こえなくなってしまうという惨事。極寒の中でANTHRAXの出演を6時間(!)も待っていた観客は怒りだし、ステージに向かって雪玉や氷を投げ始めた。本作では、そんな「3曲だけのフルショウ」を最前席体験できるのです。さらに「6月20日ビルバオ公演」の正真正銘マルチカメラ・プロショット「Antisocial」で幕を閉じる本作。最後に、3つの映像で楽しめるレパートリーもチェックしておきましょう。ジョーイ・ベラドナ時代(7曲)・狂気のスラッシュ感染:Madhouse(★)・アマング・ザ・リヴィング:Indians/Caught In A Mosh/I Am The Law・ステート・オブ・ユーフォーリア:Antisocial(★)・パーシスタンス・オブ・タイム:Got The Time・その他:Bring The Noise ジョン・ブッシュ時代(4曲)・サウンド・オブ・ホワイト・ノイズ:Room For One More/Only・ウィ・ハヴ・カム・フォー・ユー・オール:Safe Home/What Doesn't Die(★)その他(1曲)・A New Level(PANTERA)※注:「★」印は2テイクずつ収録している曲。わずか26回のステージだけで霧散した「ネルソン時代」をプロショット感覚で楽しめる映像作品です。泡沫で消えつつ、実は凄まじくカッコ良かった幻ANTHRAXの真価。激レアなダン・ネルソン時代を楽しめる超極上映像作。「2008年8月17日:東豆川市(韓国)」公演のスクリーン・ショットをメインに、「2009年2月5日ニューヨーク公演」の最前列ショット、「同6月20日ビルバオ公演」のマルチカメラ・プロショットをボーナス収録した決定盤です。メインのスクリーン・ショットは完全にマルチカメラ・プロショットな見応えで、野外フェスだからこその反響なしサウンドもサウンドボード級。フィル・アンセルモの再来とも言われたネルソンのヴォーカルでアグレッション大増量なステージを極上体験できる「オフィシャル代わり」を務める1枚です。Soyosan Outdoor Stage, Dongducheon, South Korea 17th August 2008 AMAZING SHOT!!! Soyosan Outdoor Stage, Dongducheon, South Korea 17th August 2008 1. Indians 2. Got The Time 3. Caught In A Mosh 4. Madhouse 5. Antisocial 6. Safe Home 7. Room For One More 8. What Doesn't Die 9. Only 10. A New Level 11. I Am The Law 12. Outro East River Amphitheater, New York, NY, USA 5th February 2009 13. What Doesn’t Die 14. Madhouse 15. Bring The Noise (with Chuck D) Kobetasonik, Kobetamendi, Bilbao, Spain 20th June 200 16. Antisocial COLOUR NTSC Approx.85min. Dan Nelson – Vocals Scott Ian – Guitar, Backing Vocals Rob Caggiano – Guitar, Backing Vocals Frank Bello – Bass, Backing Vocals Charlie Benante – Drums