黄金時代を甦らせた名作『STING IN THE TAIL』を制作しつつ、同時に世界も巡っていた2009年のSCORPIONS。そんな当時を目撃できる姉妹の極上映像がリリース決定です。「2009年10月23日バーゼル公演(スイス)」のマルチカメラ・プロショットです。このショウは、毎年恒例で開催されるスイスの音楽祭“AVO SESSION”の一幕。“AVO SESSION”は1986年から連綿と続く伝統フェスで、2009年には約3週間(10月23日ー11月15日)の期間に13日・26組というスケールで実施。SCORPIONSは、その初日のメインアクトとして出演しました。また、SCORPIONS側から見るとこのステージは“HUMANITY Tour”の一環。2009年の姉妹プロショット『BLACKOUT IN POLAND』も同時リリースとなりますので、まずは当時の日程を振り返り、それぞれの位置関係を確かめてみましょう。・2月21日:ベルリン公演・4月3日ー23日:欧州#1(3公演)《5月『STING IN THE TAIL』制作開始》・6月4日ー8月9日:欧州#2(21公演) ←※BLACKOUT IN POLAND・10月1日ー23日:欧州#3(3公演) ←★ココ★《11月20日『AMAZONIA: LIVE IN THE JUNGLE』発売》《12月『STING IN THE TAIL』完成》・12月5日ー6日:ザブジェ(2公演)これが2009年のSCORPIONS。本作の“AVO SESSION”は「欧州#3」の最終日にあたる。つまり(当時最終作になるはずだった)次作『STING IN THE TAIL』の制作中に出演したフェスだったわけです。そんなステージは有名フェスだけにプロショット撮影されてTV放送。本作は、そのベスト・マスターからDVD化されています。もうご理解頂けると思いますが、本作のクオリティはいわゆる「完全オフィシャル級」。2009年と2022年ではテクノロジー差があるわけですが、それを差し置いても見劣りしない。少なくとも『AMAZONIA: LIVE IN THE JUNGLE』にはまったく負けていない。つまりは「もう四の五の言わずに観ちゃってください!」級の極上映像です。2009年に可能な最高峰の映像美で描かれるのは、2009年とは思えない超濃縮グレイテスト・ヒッツ。姉妹作『BLACKOUT IN POLAND』と同時期で同じく約60分枠なのですが、セレクトが異なる。ここで比較しながら整理してみましょう。禁断の刺青(4曲)・Coming Home/Bad Boys Running Wild/Still Loving You/Rock You Like A Hurricane(★)その他(8曲)・ラヴドライヴ:Loving You Sunday Morning/Is There Anybody There?/Coast To Coast・アニマル・マグネティズム:Make It Real(★)/The Zoo・ブラックアウト:Blackout・クレイジー・ワールド:Send Me An Angel/Wind Of Change ※注;「★」印は姉妹作『BLACKOUT IN POLAND』で観られない曲。……と、このようになっています。実は放送枠に沿って編集されており、当日演奏された3曲「Holiday」「321」「Tease Me Please Me」とドラムソロはカット。約1時間にまとめられています。その中には黄金時代の大代表曲がズラリと並び、「どこが“HUMANITY Tour”やねん!」とツッコミたくなる。完全に「目で観るベスト盤」なのです。そして、演奏ぶりも黄金時代を彷彿とさせる。特別公演だけにツアー疲れもなく、その一方で2ヶ月前には「欧州#2」も行っていたためにカンも鈍ってない。そして、あの『STING IN THE TAIL』を制作していたためか「黄金時代の蠍団」再現に思いっきりシフト。その意識がステージからも滲み出すようなショウなのです。紆余曲折あって2022年も最前線を走っているSCORPIONSですが、当時は「引退の前に、もう一度黄金時代の輝きを!」と考えていた。本作から吹き出すのは、まだ公表していなかった決意が透けるようなグレイテスト・ヒッツ&大熱演なのです。目玉のレア曲などはありませんが、1曲1曲が輝くショウを完全オフィシャル級クオリティで楽しめる1枚。復活作『STING IN THE TAIL』の制作中に出演したフェスのマルチカメラ・プロショットがリリース。新曲はないものの、『CRAZY WORLD』までの超特濃グレイテスト・ヒッツを完全オフィシャル級クオリティで楽しめます。 Live at AVO Session, Basel, Switzerland 23rd October 2009 PRO-SHOT 1. Intro. 2. Coming Home 3. Loving You Sunday Morning 4. Is There Anybody There? 5. Make It Real 6. The Zoo 7. Coast To Coast 8. Send Me An Angel 9. Bad Boys Running Wild 10. Blackout 11. Still Loving You 12. Wind Of Change 13. Rock You Like A Hurricane Klaus Meine - Vocals Rudolf Schenker - Guitar Matthias Jabs - Guitar Pawel Maciwoda - Bass James Kottak - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.60min.