ROCK IN RIOからは現在、さまざまなバンド/アーティストのプロショットが大量生産されていますが、2017年、DEF LEPPARDが出演したのは全7日間中の4日目「2017年9月21日」のこと。ヘッドライナーAEROSMITHの1つ前を務めました。そのAEROSMITHは“ROCK IN RIO”初参加でしたが、それはDEF LEPPARDも同じ。かつて第1回(1985年)に出演予定だったこともあったのですが、当時は『HYSTERIA』の制作が遅れたために断念。彼らの穴はWHITESNAKEが埋めることになった(白蛇とは何かと因縁がありますね)。その後、ポルトガルやスペイン、アメリカといった“他国版ROCK IN RIO”が開催されるようになっても縁がありませんでした。実に32年越しにようやく実現した“ROCK IN RIO”。まずは、彼らの近況を確認する意味でも、ツアー全体像の中でポジションを確認してみましょう。・4月8日-5月6日:北米#1(18公演)・5月24日-6月25日:北米#2(20公演)ー3ヶ月後ー・9月21日-10月7日:中南米(8公演)←★ココ★ これが2017年のライヴスケジュール。来年の企画ツアーに備えてか、わりとこぢんまりとしており、本作のリオ・デ・ジャネイロ公演は「中南米」レッグの初日にあたるコンサートです。そんな本作は……もう、言葉がないほど鉄壁・完璧なオフィシャル級プロショット。画質・音質はもとより、サウンドミックスもカメラワークも完全無欠。開演前、メンバーがステージに向かうシーンから始まるのですが、そこからもう超美麗。先頭を歩くフィル・コリンのテラッテラ&ビッシビシな筋肉も輝き(さらにビルドアップしている!?)、毛穴まで見えそうです。もちろん、本編ショウも鉄壁。ありとあらゆるシーンが超・鮮明で、ドラムライザーの階段に至るまで使ったダイナミックなライトショウも超カラフルです。とは言え、本作は普通のプロショットともちょっとだけ雰囲気が違う。それはオーディエンス・ノイズ。どの国でもプロショットはサウンドボード音声に、観客の声を被せるもの。その喝采がやたら熱く、近い。もちろん、他のプロショットと同じように、演奏の邪魔になることはありません。ミックスで演奏中は抑えられ、盛り上がりポイントや曲間になるとボリュームが上げられる。それは本作も同じなのですが、ミックスする声も数種類用意しているのかシーンによって「大歓声」でスケール感を醸したかと思えば、オーディエンス録音のような「間近な声援」が入ったりする。もちろん、その使い分けも曲やシーンに沿っており、妙に芸が細かい。このスペクタクルと臨場感の両立は、他国放送やオフィシャル作品ではそうそうお目にかかれない。「南米放送もここまで進化したのか」……そんな感慨が湧くほどに見事な映像作品なのです。そんなクオリティで描かれるショウは、黄金のグレイテスト・ヒッツ。トリではないものの、1時間20分に及ぶ持ち時間を超名曲で埋め尽くしている。最新作から「Let's Go」「Man Enough」も披露されますが、残り12曲は徹底的に往年のヒット・パレードです。この日は約3ヶ月ぶりのショウとなるわけですが、歴戦のDEF LEPPARDだけに“慣らし”感はなし。再び髪の伸びたヴィヴィアン・キャンベルの勇姿も、カタカナで「フィル」と描かれたギターも、あざやかなマルチカメラ・プロショットでばっちり目撃できます。超・極上のオフィシャル級クオリティでありながら、オフィシャル品ではあり得ないリアリティも美味しい一級品です。それこそ公式盤『AND THERE WILL BE A NEXT TIME』にも匹敵し、その“2017年編”・“南米編”となる1枚。Live at Parque Olimpico, Rio de Janeiro, Brazil 21st September 2017 PRO-SHOT (78:57) 1. Pre-Show / Intro 2. Let's Go 3. Animal 4. Let It Go 5. Love Bites 6. Armageddon It 7. Man Enough 8. Rocket 9. Bringin' on the Heartbreak 10. Switch 625 11. Hysteria 12. Let's Get Rocked 13. Pour Some Sugar On Me 14. Rock of Ages 1 5. Photograph 16. Phil Collen Interview PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.79min.