本作に収められているの2CDと同じ「1991年7月12日アーバイン公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。この映像は2016年に発掘され、世界中のコレクターに激震が走ったという衝撃作。サウンドボード音声は公式化されましたが、映像版は未だに非公式のみという貴重映像なのです。なにが衝撃って、その圧倒的なクオリティ。それまでも“PAINKILLER Tour”からはデトロイト公演やロック・イン・リオのプロショットがありましたが、そんなものとはまったくの別次元。「PAINKILLER時代のプロショットは画質が……」と思われ続けてきたわけですが、これはもう画質・サウンド・ミックス……すべてがオフィシャル級。あまりの凄まじさに、当時「PAINKILLER30周年のために発掘したんじゃないのか!?」と噂が立ったほどなのです。ただし、この映像自体は完全な初登場でもなかった。ツアー当時から4曲ほどがテレビ放送され、2曲がオフィシャルにも使用された。そんな細切れ映像のフル・バージョン。画面下部にタイム・カウンターがあり、放送局の編集途中マスターからの流出のようですが、それだけに怖ろしいほどのマスター鮮度と極限クオリティで重金属パラダイスが目の当たりにできるのです。その超絶クオリティで描かれる重金属ライヴ………これこそが“象徴”たる所以です。何しろ、本作は“あの”超傑作『PANKILLER』を生み出したバンド・ポテンシャルがステージ全開に繰り広げられるのです。その要はショウのポジションにある。本編音解説でも触れましたが、“PAINKILLER Tour”は80年代さえも超えるPRIEST史上最大級のツアー。その分、ツアーのどのポジションかによってコンディションがまるで違う。日本公演では、2週間の休みを取っただけマシではありましたが、それでも疲れを感じさせるショウだったことをご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして本作のアーバイン公演はツアー最終レッグの「北米#4」にあたるのですが、ポイントはその直前。CD解説の日程をご覧の通り、ツアーで唯一の3ヶ月もの大きな休みを取っており、本作はツアー再開からわずか2公演目。ビッシリ&タップリとショウをこなしまくってこなれきったアンサンブルはそのままに、休み明けの勢いまでたっぷりなのです。それだけに、本作に詰まっているショウは絶好調。これまでの長編プロショット(デトロイト公演&ロック・イン・リオ)とも異なり、全編で叫びに叫ぶロブも歴史的な復活劇を全身で楽しみ尽くすような充実感に溢れている。「All Guns Blazing」イントロのアカペラ・シャウトの鋭さと言ったら……。さらに加えて、ツアー後期のセットリストも美味しい。CD解説ではファウンデーション・フォーラム公演も交えて整理しましたので、ここではアーバイン公演のみに絞ってみましょう ペインキラー(4曲)・All Guns Blazing/Night Crawler/A Touch of Evil/Painkiller クラシックス(12曲)・70年代:The Ripper/Diamonds & Rust/Hell Bent for Leather/The Green Manalishi・80年代:Metal Gods/Breaking The Law/Living After Midnight/Heading Out To The Highway/Electric Eye/You’ve Got Another Thing Comin’/Some Heads Are Gonna Roll/Turbo Lover ……と、このようになっています。先述した「All Guns Blazing」はこのツアーだけの目玉曲なわけですが、さらにレギュラー・チューニングに合わせて絶叫する「Night Crawler」「A Touch Of Evil」「Painkiller」の凄まじさは、再結成以後では決して味わえなかったカタルシス。さらに、それまでのプロショットでは観れなかった「Heading Out To The Highway」「Diamonds & Rust」「Some Heads Are Gonna Roll」「Turbo Lover」までもがたっぷりと披露されるのです。世紀の超名盤『PAINKILLER』で大復活を遂げたJUDAS PRIEST。本作は、その神々しい姿を目撃できるマルチカメラ・プロショットです。2CDの“向こう側”を目撃させてくれる映像篇でもありますが、本作自体が「ヘヴィメタル」の究極映像でもある。Live at Irvine Meadows, Irvine, CA. USA 12th July 1991 PROSHOT (82:47) 1. Introduction 2. Hell Bent for Leather 3. Heading Out To The Highway 4. The Hellion 5. Electric Eye 6. Diamonds & Rust 7. All Guns Blazing 8. Metal Gods 9. Some Heads Are Gonna Roll 10. The Ripper 11. Night Crawler 12. Turbo Lover 13. A Touch of Evil 14. Painkiller 15. The Green Manalishi 16. Breaking The Law 17. Living After Midnight 18. Whoa Yeah!! 19. You’ve Got Another Thing Comin’ 20. Outro. Rob Halford – Vocals Glenn Tipton – Guitar K.K. Downing – Guitar Ian Hill – Bass Scott Travis – Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.83min.