ティム・ゲインズが復帰し、25周年に沸いていた2010年/2011年のSTRYPER。その現場を丸ごと2公演体験できる超絶映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2010年1月23日ユトレヒト公演」と「2011年6月23日ズーテルメール公演」。そのマルチカメラ編集オーディエンス・ショットです。どちらもオランダ公演ではありますが、1年半も離れている。その辺の状況を把握する為にも、当時の活動スケジュールを振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。2010年・1月15日ー30日:欧州#1(11公演)←★本作DISC 1★6公演目・8月11日ー28日:南米/豪州(7公演)・10月10日:ジャカルタ公演 2011年 ・1月15日:アナハイム公演《2月15日『THE COVERING』発売》・3月2日ー30日:北米#1(20公演)・6月10日ー25日:欧州#2(10公演)←★本作DISC 2★8公演目・7月15日+16日:ブラジル(2公演)・7月29日:アナハイム公演・9月14日ー10月9日:北米#2(5公演)・10月15日+16日:アジア(2公演)これが2010年/2011年のSTRYPER。本作のユトレヒト公演(DISC 1)は25周年ツアー冒頭となる「欧州#1」6公演目、ズーテルメール公演(DISC 2)は『THE COVERING』発売後の「欧州#2」8公演目にあたるコンサートでした。そんな2公演を記録した本作は、どちらも凄まじいクオリティ。凝りに凝ったメニュー画面から制作したマニアの愛情の深さを感じますが、中身はもっと凄い。まず、ユトレヒト公演(DISC 1)ですが、画質からして超絶美麗でアングルはズームと引きの2カメMIX。どちらもまるでプロショット……といいますか、オフィシャル素材じゃないの?というくらいに超・鮮明&超・安定。いやホント、顔やドラムのズームをオフィシャル映像に混ぜても使えるでしょう。実際、思いっきり引いた視点になると、観客かなり頭上からの撮影という事が分かりますが、もしかしたら据え付けの会場カメラの撮影なのかもしれません。幾多のHR/HM映像を目の当たりにしてきましたが、ここまでのハイクオリティ映像は覚えがない。「STRYPERの、」ではありません。「全HR/HMバンドの、」トップ・クオリティなのです。種別として「オーディエンス・ショット」と書かなければなりませんが、その言葉の先入観が恨めしいほど。その辺に転がるプロショットなど、まったく相手になりません。超絶なのは画面だけではありません。音声も客席録音の可能性を極めるかのような素晴らしさ。いわゆる「まるでサウンドボード」と呼びたくなるクリアさなのですが、そんなホメ言葉も侮辱に変えてしまうほどに生々しい現場感覚が凄い。楽音は「完璧」の一言でさっさと済ませて、強調しておきたいのは観客の唱和。STRYPERの美しいメロディに大合唱が巻き起こるのですが、その分厚く、熱いことと言ったら! 明らかに現場にすし詰めになった全員がことごとく歌っている。誇張でも何でもなく「1,000人クワイアのSTRYPER」が目の前にいる。その千人声を従えても、なお微塵もかき消されないマイケル・スウィートの歌声……本当に凄い。代わってのズーテルメール公演(DISC 2)は一見しても分かる通りのモノクロ映像ですが、その画質はユトレヒト公演(DISC 1)さえも超えるほどに超・超絶。撮影カメラも何台か分からないほど多彩なマルチで、単なる切り替えだけでなくズームによる画面分割や挿入も駆使して凝りっ凝り。全体がモノクロなのも、恐らく発色の違うマルチカメラを自然に見せたかったのでしょう。制作者の「あえてモノクロ」の強い意志、美的センスが完成度となって全編に充ち満ちている。これまた、そんじょそこらのプロショットなんぞ相手にもならない映像美です。その反面、サウンドはディスク1より一歩落ちるものの、それはディスク1が異常なほどに激烈すぎたから。通常のオーディエンス録音の基準で言ったら十二分に素晴らしいサウンドです。その猛烈クオリティで画かれるのは、まさに名曲の宝箱。ここで2公演まとめて整理しておきましょう。両映像共通(14曲)・ソルジャーズ・アンダー・コマンド:Soldiers Under Command/The Rock That Makes Me Roll/Reach Out ・トゥ・ヘル・ウィズ・ザ・デヴィル:Calling On You/Free/More Than A Man/The Way/Sing-Along Song/Abyss (To Hell With The Devil)/To Hell With The Devil・その他:Loud 'N' Clear/All For One/Murder By Pride/Breaking The Law DISC 1:ユトレヒト公演のみ・マーダー・バイ・プライド:Peace Of Mind/4 Leaf Clover/My Love (I'll Always Show)・その他:Honestly/Open Your Eyes DISC 2:ズーテルメール公演のみ・ザ・カヴァリング:Heaven And Hell/Carry On Wayward Son(ロサンゼルス公演)・その他:Surrender/Lady (snippet) ……と、このようになっています。ユトレヒト公演(DISC 1)は“25周年記念ツアー”によるもので、『SOLDIERS UNDER COMMAND』『TO HELL WITH THE DEVIL』の2枚を大きくフィーチュアしながらも、『IN GOD WE TRUST』以外の全キャリアを散りばめたセット。この時点でカバーアルバム『THE COVERING』はリリースされていませんが、JUDAS PRIESTの「Breaking The Law」もフル演奏しています。一方のズーテルメール公演(DISC 2)は『THE COVERING』に伴うツアーでもあり、『REBORN』『MURDER BY PRIDE』の比重が減って、カバーが増量。JUDAS PRIESTに加えてBLACK SABBATHの「Heaven And Hell」も演奏されています(メタル者としては当然の選曲ではあるものの、クリスチャン・バンドでもユダ司祭や黒い安息日が好きなんですね……)。さらに、ボーナス映像として「2011年3月9日ロサンゼルス公演」からKANSASの「Carry On Wayward Son」も収録。この曲もマルチカメラを駆使した超ハイクオリティ。たった1曲のボーナスでも懲りまくるとは、この制作者、どこまでSTRYPERを愛しているのでしょうか……。ともあれ、全HR/HMの客席記録でもズバ抜けたクオリティの2枚組。もはや「大傑作」じゃ全然足りない。超傑作、超絶傑作、超・超絶、超・超・超……もう頭がバカになるほどの異常な逸品。「2010年1月23日ユトレヒト公演」+「2011年6月23日ズーテルメール公演」のマルチカメラ編集オーディエンス・ショット。ユトレヒト公演(DISC 1)はズームと引きの2カメMIXで、どちらもまるでプロショットな超・鮮明&超・安定映像。ズーテルメール公演(DISC 2)はモノクロ映像ですが、その画質はDISC 1さえも超えるほどに超絶。撮影カメラも何台か分からないほど多彩なマルチで、単なる切り替えだけでなくズームによる画面分割や挿入も駆使して凝りっ凝りです。HR/HMの全オーディエンス映像でも頂点級の超傑作2枚組です。Tivoli, Utrecht, The Netherlands 23rd January 2010 AMAZING SHOT!!! De Boerderij, Zoetermeer, The Netherlands 23rd June 2011 AMAZING SHOT!!! Disc 1(91:51) Live at Tivoli, Utrecht, The Netherlands 23rd January 2010 1. Soldiers Under Command 2. Murder By Pride 3. Michael Speaks 4. Loud 'N' Clear 5. The Rock That Makes Me Roll 6. Reach Out 7. Band Introductions 8. Calling On You 9. Free 10. More Than A Man 11. Breaking The Law 12. Oz & Michael Speaks 13. Peace Of Mind 14. 4 Leaf Clover 15. Tossing Bibles 16. Honestly 17. Open Your Eyes 18. All For One 19. My Love (I'll Always Show) 20. The Way 21. Tossing Balloons 22. Sing-Along Song 23. Abyss (To Hell With The Devil) 24. To Hell With The Devil 25. Closing Prayer COLOUR NTSC Approx.92min. Disc 2 Live at De Boerderij, Zoetermeer, The Netherlands 23rd June 2011 (80:45) 1. Sing-Along Song 2. Murder By Pride 3. Michael Speaks 4. Loud 'N' Clear 5. Lady (snippet) 6. The Rock That Makes Me Roll 7. Reach Out 8. Michael Speaks 9. Calling On You 10. Free 11. More Than A Man 12. Breaking The Law (Judas Priest cover) ★本当に3分フルでやってます。13. Oz And Michael Speak 14. Oz Guitar Solo 15. Heaven And Hell (Black Sabbath cover) ★本当に6分フルでやってます。 16. Surrender 17. All For One 18. The Way 19. Abyss (To Hell With The Devil) 20. To Hell With The Devil 21. Soldiers Under Command 22. Closing Prayer Bonus Track (6:20) 23. Carry On Wayward Son (Kansas cover) Club Nokia, Los Angeles, CA. USA 9th March 2011 COLOUR NTSC Approx.87min.