「YES史上、最高音質のサウンドボード」と大絶賛された超・極上サウンドボードが最新・細心リマスターで蘇りました。本作は“TALK TOUR 1994”の一幕「1994年6月29日メアリーランド・ハイツ公演」のライヴアルバムですが、「TALK TOURの最高音質」ではありません。「YES全史でも最高音質」のサウンドボード・アルバムなのです。本作は、かつて『MARYLAND HEIGHTS』として世に出た卓直結サウンドボード音源。そのサウンドは、登場と共に凄まじい絶賛が寄せられました。当時の専門誌をして「絶妙なバランスを含めて完璧な音質」「大音響で聴くとコンサート会場のベスト・ポジションに座っているような気がして気持ちが高揚して来る」「(オフィシャルの)『LIVE SOLOS』なんて廃棄して、本作のような最高のライヴ盤も残して欲しい」「間違いなく最高峰」等々など、言葉を尽くした賛辞によって埋め尽くされました。実際、この録音はそんじょそこらのサウンドボートとはわけが違う。そもそも「公式ライヴ盤」「放送音源」と「卓直結」はどれも“サウンドボード”でひとくくりにされがちですが、実は大きな違いがあります。「公式盤」「放送音源」はマルチトラックのサウンドボード音声をミックスし、各楽器のバランスを整え、丸出しの生音に自然な“鳴り”を加え、さらには歓声も重ね……と、幾重もの加工を経て完成する。もちろん、中にはほとんど手を加えないものから加工しすぎて原型を留めないもまであるので一概には言えませんが、おおよそ「公表するために磨かれた音」なのです。その一方、「卓直結」はいわゆる録りっぱなし。公表用の手間をかけない分、現場PAに流し込まれるサウンドそのまま。超絶ビビッドな反面、バランスが不安定になったり、会場反響を前提にしていて自宅オーディオでは鋭すぎる音になりがちなのです。今さらな話をグダグダ書いてしまいましたが、本題はこれから。本作にはこの両方の旨みがたっぷりと詰まっているのです。卓直結サウンドボードらしい脳ミソ直撃なビビッド・サウンドでありながら、各楽器のバランスや鳴りは、まるで精緻にミックスされた公式ライヴアルバムのように美しい。こっそりとテープ・エフェクトも使われていますが、そのバランスまでも自然でギターやシンセ音のテープと生演奏の区別が付かないくらい。その上で同時にアンビエント・マイクも使っていたのか、楽器1つひとつ、1音1音の鳴りまでもが自然。専門誌の「絶妙なバランス」「会場のベスト・ポジションのよう」とは、まさに正鵠を射た表現なのです。さて、やたらと褒めちぎってしまいましたが、ここまではSirene盤の話。本作では、そんな大絶賛のマスターをさらに最新・細心にリマスターしたものなのです。当初は「完璧だからそうそう変わるまい」と考えていたのですが、作業を始めてみると意外や意外。音を整理していくとさらに鮮やかになっていく! 具体的に言いますと、まず低音。元から素晴らしくリッチな重低音が録音されていましたが、ギターの低音域とベースがやや混ざり気味だった。その残響音にメスを入れていくと綺麗に分離。ベースラインがクッキリと鮮明になったのです。同時にドラムもハイハットの鳴りを際立たせ、スネア・バスドラと切り分けたことでグルーヴまでもが浮き立ち、アンサンブル全体のキレ感がグンと上がったのです。さらにさらにヴォーカル&コーラスの高音域や左右のステレオ感も整え………。こう書いていくと、さぞや元がダメ音のように思われてしまいそうですが、だからこそ、先に元音源の素晴らしさを語らせていただいたのです。実のところ、ここに書いた作業1つひとつはあくまで微調整。でもチョットだけ変えて、こっちもチョットだけ……と積み重ねた結果、塵が積もって山となった。オーディオマニアでさえ目を?く超・高音質サウンドボードが更なるハイクオリティ・アルバムに変貌したのです。そんな超極上サウンドボードで描かれるアンサンブルがまた“90125 YESの集大成”とも言える素晴らしいライヴ。先日も“TALK TOUR 1994”の極上サウンドボード・アルバム『CANANDAIGUA 1994』をお届けしましたが、あの傑作でも聴けない「Perpetual Change」オープニングや「Hold On」も追加され、さらに集大成感が増しているのです。もちろん、演奏も素晴らしい。もちろん、この時の5人がベストメンバーと考える方は限られていますが、タイトでテクニカル、そしてロックらしいダイナミズムまで備えたアンサンブルは、(ある意味で)歴代ナンバー1の完成度を湛えている。大作「Endless Dream」にしてもアルバムと同等に繊細でありながら、それ以上のハードを両立。過去のレパートリーもスリリングで、“90125 YES”オリジナルの親しみやすいメロディが満載。まさに、YES流プログレハードの旨みをたっぷりと味わえる逸品なのです。序盤でご紹介した専門誌のコメント「(オフィシャルの)『LIVE SOLOS』なんて廃棄して、本作のような最高のライヴ盤も残して欲しい」。これが本作をもっとも端的に表現した言葉でしょう。YES全史でも最高級のサウンドボードを微に入り細に入ってグレードアップさせた1本。その究極サウンドでオフィシャルでも味わえない“90125 YES”の最高到達点に達したライヴアルバムです。本来であれば、オフィシャルが残して当然の、残すべき大名盤。 Live at Riverport Amphitheater, Maryland Heights, MO. USA 29th June 1994 STEREO SBD(ULTIMATE QUALITY!!) Disc 1 (79:48) 1. Intro 2. Perpetual Change 3. The Calling 4. I Am Waiting 5. Rhythm Of Love 6. Hearts 7. Real Love 8. Changes 9. Heart Of The Sunrise 10. Cinema 11. City Of Love Disc 2 (75:44) 1. Make It Easy 2. Owner Of A Lonely Heart 3. Rabin Piano Solo/And You And I 4. Where Will You Be? 5. I've Seen All Good People 6. Walls 7. Endless Dream 8. Hold On 9. Roundabout Jon Anderson - Vocals Trevor Rabin - Guitars Chris Squire – Bass Tony Kaye - Keyboards Alan White - Drums Billy Sherwood - Guitars STEREO SOUNDBOARD RECORDING