今週のエリック・クラプトンの1983年「マネー・アンド・シガレッツツアー」、ニュー・タイトルのリリースを記念しての再紹介に当店が選んだ1作は、同年2月にスタートしたUSツアー初期の名盤です。2月7日のサンフランシスコ、カウ・パレス公演を非常に良好なステレオ・オーディエンス録音で完全収録した本盤が評価されたのは、その高音質のみならず、アルバム『MONEY AND CIGARETTES』に参加し、このツアー・メンバーでもあったマッスル・ショールズの名セッション・ドラマー、ロジャー・ホーキンスが、何故か2月15日のダラス公演を最後にジェイミー・オールディカーと交代してしまうというハプニングにより、それ以前と以後で全く性質の異なる趣きのツアーとなったこと、従って在籍期間の短かったホーキンスの叩いた序盤公演が貴重である上に、序盤日程だけが当該アルバムからの新曲で固められたセットリストだったという意味合いからです。この貴重な時期を最高レベルの高音質で完全収録したのが本盤というわけですから、初回のリリース時に早期完売してしまったのも当然と言えば当然なことでした。録音開始のタイミングからオープニング・ナンバーの頭がほんの僅かに欠けている感じですが、あとは全編ノン・トラブルで凄まじい迫力で演奏が押し寄せてきます。ホーキンスのドラミングは後のオールデイカーのそれに比べると、シンプルさが際立っている感じですが、その分一音、ワン・ショットに力がこもっています。その結果、オールデイカー期とはまた異なるグルーヴでのタイトなパフォーマンスとなっています。ある意味、当該アルバムからのナンバーが多く組まれていたこの時期だからこそ、ホーキンスのドラムがフィットしていたとも言える代表的な公演です。中では、94年、95年まで演奏されることのなかったブルース「Crosscut Saw」、2010年ツアーで27年振りに突如セットに組まれた「I've Got A Rock n' Roll Heart」のオリジナル・ライブ・バージョンが聴けることが貴重です。その他「Crazy Country Hop」「Slow Down Linda」といったレアなナンバーも聴けます。逆にオールデイカーが交代してからセットに組まれた「The Shape You’re In」がまだ演奏されていないことも特徴と言えるでしょうか。こうした要素に加え、ホーキンスが叩く「Layla」も貴重です。この曲は歴史的に見ても、ドラマーが代わるたびにドラムのニュアンスが変化してきた曲の一つです。後のオールデイカーとはまったく異なるパターンで彼流に叩くホーキンス・バージョンも是非ご確認いただきところです。ツアー序盤には完全収録の高音質タイトルは、ツアー初日と2日目のシアトル公演くらいしか存在しなかっただけに、本盤の重要度は非常に高いものです。未聴のファンはぜひ、この機会に聴いてみて下さい。
Live at The Cow Palace, San Francisco, CA. USA 7th February 1983 PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1
1. After Midnight 2. I Shot The Sheriff 3. Worried Life Blues 4. Crazy Country Hop 5. Crosscut Saw 6. Slow Down Linda 7. Sweet Little Lisa 8. Key To the Highway 9. Tulsa Time 10. I've Got A Rock n' Roll Heart
Disc 2
1. Wonderful Tonight 2. Blues Power 3. Who's Loving You Tonight/ Have You Ever Loved A Woman / Rambling On My Mind 4. Let It Rain 5. Cocaine 6. Layla 7. Further On Up The Road
Eric Clapton : Guitar, Vocals Albert Lee : Guitar, Vocals Donald "Duck" Dunn : Bass Roger Hawkins : Drums Chris Stainton : Keyboards





























