最上級のマスターで時代の空気をリアルに切り取り、ファンに大好評のタイトル"ラジオ・ブロードキャスト・シリーズ"から、また新たな(それも 飛び切りの)発掘音源が登場! 今回は1977年5月22日にオンエアされた、有名音楽番組における「ポスト・パープル・ファミリー特集」を丸ごとパッ ケージ。本音源でも優れたサウンドと貴重な内容で、聴き手に'70年代後半の空気とムードを満喫させます!'70年代は、ラジオにおける音楽番組がファンにとっての貴重な情報源でした。現在のように海外のニュースや貴重な音源を容易に入手できる時代とは異な り、当時のファンは音楽番組が伝える情報やサウンドを、耳を凝らして聴き入ったもの。その音楽番組では、単に曲やニュースを流すに留まらず、ミュージシャ ンの活動やバックグラウンドに精通した評論家や専門家が詳しい解説を挟んでいた事も大きな特徴。聴き手は洋楽ロックに対する見方や姿勢のようなものも、知 らず知らずのうちに養われていたのです。日本の洋楽ロックファンに見られる真摯で熱いスタンスは、こういった"オピニオン・リーダー"に縁る所が大きかっ たのではないでしょうか。相次いでリリースされ、ファンを(当時からのベテランも、後追いの若い世代も)驚かせた「ROCK ON」や「ROCK SUMMER SESSION」などは、そういった'70年代のムードをリアルに体験させてくれました。今回登場する本作は、当時人気のあった音楽番組で「ポスト・パー プル・ファミリー特集」として1977年5月22日に放送されたものを、コレクター提供によるオリジナル・エアチェック・マスターから音盤化! DEEP PURPLEの解散後、RAINBOWやIAN GILLAN BAND、さらにPAICE ASHTON LORDとしてそれぞれの道を歩んでいた元PURPLEメンバー達の活動を、リアルタイムならではの視点と考察で見渡した内容は、まさにハードロックの第 一級史料です!ディスクを再生してまず飛び出すRAINBOWの「Starstruck」に続き、あの有名DJによるMCとトークが入ります。ここでの最初のコメント が面白く「昔、僕のやってる雑誌に投稿した人が、シカゴについて書いてきまして “シカゴは素晴らしい!ドンドコやってきて男らしくて素晴らしい”という原稿を書いてきた素晴らしい人がいましたけれど(笑)、その、「ドンドコやって来 て男らしくて素晴らしい」ってのは最近ではこのレインボーに当てはまるんじゃないかって感じで」と、冒頭一発から楽しさいっぱいの紹介が聴けます。(その 後、ここでは「ON STAGE」がリリース予定である事が触れられます)。続いて取り上げるPAICE ASHTON LORD(PAL)については、"ジョンはPURPLEが後半になるにつれてやりにくそうだった"けれど"ここでは伸び伸びとプレイしている"と紹介して います。結果としてPALは長続きはしませんでしたが、この時点では「ジョン念願のソロ・グループ」として、高い期待を寄せられていた事を伺わせます。3番目に登場するのはイアン・ギラン。当時発表されたばかりの新作アルバム「CLEAR AIR TURBULENCE」からの「Over The Hill」や「Angel Manchenio」を楽しめます。ここで特筆すべきは、国際電話によるギランへのインタビューを実現させている所。ミュージシャン本人から直接最新の情報やコメントを引き出した事に、当 時のファンは驚いたことでしょう(もちろん通訳と解説が入りますので、安心して聴けます)。満足できる新作が出来た事、第二期PURPLEからの脱退と IAN GILLAN BANDでの復帰までの消息など、今でも興味深い内容を確認できます。さらに「リッチーやジョンについてどう思うか」という質問に対する答えは聴き逃せま せん。リッチーについては「良いバンドを持った」とポジティヴに捉えているのですが、ジョンについては「彼の才能を出し切っていないのでは?」と、率直な (そしてシビアな)見方をしています。ギランの両者に対するコメントは、大変に注目できるでしょう。さらに"プロデューサー"としてのロジャー・グローヴァーが取り上げられるのも番組の聴き所。彼がプロデュースした最新作として、JUDAS PRIESTの「SIN AFTER SIN」からは「Here Come The Tears」と「Dissident Aggressor」が紹介されています。 ここまで取り上げた元メンバー達について、DJが「音楽の傾向が似ている」・「解散しないで、こういった方向で活動できれば良いのに」と考察している点 は大きなポイントでしょう。後のジョンのWHITESNAKE加入や、ロジャーのRAINBOW加入、さらにDEEP PURPLE再結成を考えると、非常に示唆に富んでいるコメントだと言えそうです。ラストはカヴァデールの1stソロアルバム「WHITESNAKE」から「Hole In The Sky」が取り上げられ、番組をクロージングします(本音源のラストには、マスターに収められていたニュースもそのまま収録。当時の世相や出来事もリアル に追体験できます)。特別なライヴ・テイクなどの音源とは異なりますが、DJのコメントに現れている音楽的な姿勢・見方は、現在のファンにとっても聴くべき価値があるもの。 さらに時代の空気をダイレクトに感じさせるムードは、あの「ROCK ON」等と同じく、ベテランのファンを感激させ、若いファンには新鮮で興味深い追体験を味わわせます。 Broadcast Date : 22nd May 1977 1. Starstruck (Rainbow) 2. DJ Talk 1 3. Remember The Good Times (Paice Ashton Lord) 4. DJ Talk 2 5. Malice In Wonderland (Paice Ashton Lord) 6. DJ Talk 3 7. Over The Hill (Ian Gillan Band) 8. Ian Gillan Interview 1 9. Angel Manchenio (Ian Gillan Band) 10. Ian Gillan Interview 2 11. Here Come The Tears (Judas Priest) from the album "Sin After Sin" produced by Roger Glover 12. Dissident Aggressor (Judas Priest) from the album "Sin After Sin" produced by Roger Glover 13. DJ Talk 4 14. Hole In The Sky (David Coverdale) 15. Outro. 16. News