英国ブルースロックの至宝だった初期WHITESNAKE。その魅力を伝え続けてきた伝統サウンドボードの最高峰板がリリース決定です。その伝統盤とは、歴史に名高いレディング・フェスティバルのFM音源2種。『LOVEHUNTER』時代の「1979年8月26日」と、『READY AN' WILLING』時代の「1980年8月24日」をディスク1枚ずつに配した2枚組です。この2つのサウンドボードはどちらも定番中の大定番。FM放送されたことで数々のエアチェック盤を生み出し、公式『LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』と同等……いえ、それ以上の名演でブルースロック時代の頂点ライヴアルバムとして君臨してきました。本作は、そんな超定番の最高峰となるもの。どちらもエアチェックではなく、電波を介していない超絶盤なのです。まず、ディスク1の「1979年編」ですが、こちらはアメリカの放送局“NEW JERSEY RADIO NETWORK”バージョン。その放送原盤からダイレクトにデジタル・トランスレートされており、エアチェック音源にありがちなノイズ類や音質の劣化がまったく見られない。もう一方のディスク2「1980年編」も出自は違えど、やはり極上。デジタル時代になってからのBBC再放送バージョンでして、劣化ゼロでディスク化されています。この2種は、10年ほど前に『SUMMER OF '79』『BLOOD AND FLAG』として初登場。瞬く間に既発を一蹴。その後も、現在まで最強の放送版として追随を許していないのです。「放送版として」もポイント。実のところ、この2種のサウンドボードは2011年の公式ボックスセット『BOX 'O' SNAKES』にボーナス収録。すでに公式化が実現しているのです。では、本作に価値がないかと言うと、さにあらず。公式ボックスが当に廃盤で数万円の高値となっているというのもありますが、本作のクオリティは公式バージョンにも負けていなかった。もちろん、完全に同じというわけでもない。公式盤はデジタル・リマスターされたスタジオ作品とセットになっている事もあって、かなり派手でダイナミズムを強調したサウンド。それに対し、本作は劣化のない鮮度はそのままに、大元アナログ・マスターの機微が正確に記録されているのです。もちろん、公式のダイナミック・サウンドが悪いわけではないものの、問題なのは主役がブルースロック時代のWHITESNAKEだという事。そのビートには脈打つグルーヴが息づき、ツインのハーモニーには深いブルースが呼吸している。そのジューシーな音楽にはアナログ感覚が絶妙にマッチしており、ギラギラとした公式CDよりもグッと滋味深いのです。そして、そのヒストリカルなムードを一層高めるのが番組のDJ。番組名やバンドについて触れ、スポンサーのコカコーラを宣伝する。あくまでも短く添え物的なコメントではありますが、これが最高に時代感を醸してくれるのです。もちろん公式CDには未収録ですし、ここも幾多の既発より遙かに高音質なオフィシャル・クオリティで楽しめます。そんなサウンド描かれるClassicスネイクの名演は、まさに英国ブルースロックの極み。「1979年編(ディスク1)」はペイス加入直後の2公演であり、実質的に新ラインナップのお披露目ショウ。元DEEP PURPLEが3人揃ったインパクトは巨大で、名物フェスには多くの報道陣も集結。その注目度をしっかりと理解した上で「DP再結成とは違う、新ラインナップの魅力」を叩きつけるような熱演を繰り広げる。放送枠に沿って編集されているので「Come On」や「Might Just Take Your Life」は未収録ですが、当時はまだリリースされていなかった「Walking In The Shadow Of The Blues」「Love Hunter」を早くも披露し、初期ならではの「Breakdown」「Whitesnake Boogie」も激アツ。そして、ペイスのドラムソロをフィーチュアした「Belgian Tom's Hat Trick」! その華麗にして圧倒的なドラミングはDEEP PURPLE全盛期そのままですし、その上に乗るジョン・ロードのハモンドも絶好調。「俺達はDPとは違うぞ!」の熱気がこもればこもるほど、黄金のDEEP PURPLEが思い出されてしまうという皮肉で最高な演奏がたっぷり楽しめます。そして、1年を経た「1980年編(ディスク2)」も圧倒的。当時は『READY AN' WILLING』が大ヒット中で、『LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』の元になったハマースミス公演の2ヶ月後。そのアンサンブルはすでに成熟しており、“ディープだけどキャッチー”な白蛇流ブルースロックの魅力が全開。こちらもオープニングの「Come On」がカットされているものの、現場で2曲目だった「Sweet Talker」もまるでポールポジションのような勢いが凄い。『READY AN' WILLING』のヒット曲を盛り込んだセットは『LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』の短縮版といった感じですが、その熱量はむしろ本作の方が上! 大量のオーバーダブで整えられた『LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』よりも遙かに生々しく、母国フェスのトリを務める覇気は天をも突く。すべてが圧倒的ですが、極めつけはクライマックスの「Mistreated」。ジョンによるイントロのインプロヴィゼーションもカラフルなら、バーニーとミッキーの粘り気あるトーンも絶品。そして、何よりカヴァデール渾身の絶唱! セクシーな呼吸も漢臭い咆哮もパワフルでありながら艶やか。後年の絶叫スタイルでは味わえなくなったブルース・シンガーの魅力が1曲に濃縮されている。大名盤『LIVE... IN THE HEART OF THE CITY』を差し置き、長年ファンが頂点として愛してきたのも当然。「Soldier Of Fortune」と共に、一世一代の名演・名唱なのです。当時のラジオそのままのサウンドでありながら、当時のラジオでは決して聴くことの出来なかった原盤クオリティを詰め込んだ2枚組です。Live at Reading Festival, England 26th August 1979 & 24th August 1980 STEREO SBD Live at Reading Festival, England 26th August 1979 1. Radio Intro. 2. Walking In The Shadow Of The Blues 3. Ain't No Love In The Heart Of The City 4. Micky Moody Guitar Solo / Steal Away 5. Belgian Tom's Hat Trick (incl. Drum Solo) 6. Mistreated 7. Soldier Of Fortune 8. Love Hunter 9. Breakdown 10. Whitesnake Boogie Live at Reading Festival, England 24th August 1980 1. Radio Intro. 2. Sweet Talker 3. Walking In The Shadow Of The Blues 4. Ain't Gonna Cry No More 5. Love Hunter 6. Micky Moody Guitar Solo 7. Mistreated 8. Soldier Of Fortune 9. Ain't No Love In The Heart Of The City 10. Fool For Your Loving David Coverdale - Vocals Bernie Marsden - Guitar Micky Moody - Guitar Neil Murray - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING