2016年12月7日、グレッグ・レイクが永眠しました。癌との闘病の末の病死だったそうです。生前最期の歩みに触れるライヴアルバムをお贈りします。本作が録音されたのは「2012年11月22日ケンブリッジ公演」。“SONGS OF A LIFETIME(生涯の詩)”と題されたソロツアーの一夜を極上サウンドで記録しきったオーディエンス・アルバムです。この“SONGS OF A LIFETIME”は、通常のバンドツアーとは異なり、作り込んだバックトラックを流しながらグレッグ独りが弾き、歌うというもの。まずは、その“SONGS OF A LIFETIME”の歩みがいかなるものだったのか振り返ってみましょう。
・2012年4月11日-5月26日:北米(26公演)・2012年11月12日-25日:英国#1(10公演) ←★ココ★・2012年11月28日-12月5日:イタリア(6公演)・2013年2月16日:ハンガリー(1公演)・2013年3月20日-25日:MOODY BLUES CRUISE・2013年4月5日:英国#2(1公演)・2013年6月15日-18日:日本(3公演)
以上が“SONGS OF A LIFETIME”の全容(公式サイトによると、2013年6月の日本公演がグレッグ最後のステージだったようです)。本作が録音されたのは「英国#1」日程の折り返しとなる7公演目でした。そんな本作最大のポイントは、極上を究めるサウンド。それがとんでもなくクリアに透き通っていて、グレッグの歌声がとにかく美しい。凡百のサウンドボードが裸足で逃げ出すクリアさで、アコースティック・ギターは弦のこすれる音や振動そのものまで伝わってくるかのよう。間違いなく「まるでサウンドボード」と呼べるタイプなのですが、そう言ってしまったら本作に失礼に当たる。会場に流されるBGMもグレッグの演奏/歌声も極めて詳細ながら、ほんのりとした会場音響を身に纏う。それがまた、美しさを際立たせているのです。このツアーからは公式盤『SONGS OF A LIFETIME』もリリースされていますが、それと同等のサウンドクオリティにして、現実感を手触り感覚で味わわせてくれる格別の1本なのです。この手触り感こそが、本作を特別にしている。このツアーはKING CRIMSONやEL&P。ソロはもちろんのこと、彼自身のアイドルであったエルヴィス・プレスリーやビートルズに関しても大いに語り、歌う。独りの男“グレッグ・レイク”の人生を歌に託した現場だけに、オーディエンス録音の同居感が殊更胸に迫るのです。しかも、その内容も素晴らしい。当時は「カラオケ・ライヴ」と揶揄される事もありましたが、そもそも60代後半に差し掛かっていたグレッグはスリリングなアンサンブルなど、最初から求めていなかった。ただひたすら、自身が生み出してきた名曲で人生を語る……そのコンセプトに生演奏は必ずしも必要なく、事前に作り込んだバックのおかげで演奏は極めて安定。美しい調べと、年輪を重ねた声の旨みがたっぷりと味わえるのです。もちろん、新たなアレンジも新鮮で「カラオケ」の言葉でイメージされる安さとは無縁。こうしてライヴアルバムで耳にすると、むしろ精緻にプロフェッショナルな音楽世界が広がる。この、胸に迫る美しさ。実際に日本公演に足を運ばれた方、オフィシャル盤『SONGS OF A LIFETIME』をお聴きになった方なら実感していただけると思いますが、本作は公式盤ではカットされた質疑応答や「I Believe In Father Christmas」「Shakin' All Over」もたっぷりと味わえる本生100%のフル・ドキュメントなのです。本作の約半年後に日本へ戻ってきたグレッグは、それ以降、二度とステージに立つ事はありませんでした。群雄割拠するプログレッシヴ・ロックの世界でも、5大バンドのうち2つの黄金期でフロントに立った人物は、グレッグ・レイクただ独り。その“栄光の人生”を本人が凝縮させたライヴアルバムです。オフィシャル盤と同等のサウンドでありながら、遙かに“彼”を感じられる1本。グレッグが最後にたどり着いた音楽世界。
Live at Corn Exchange Cambridge, Cambridge, UK 22nd November 2012 PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(46:35)
1. Intro Tape : Moonchild 2. Intro Tape : Power 3. Intro Tape : 21st Century Schizoid Man(cover) 4. Lend Your Love To Me Tonight 5. Greg's Introduction To The Show 6. From The Beginning 7. Story (Elvis Presley) 8. Heartbreak Hotel 9. Epitaph 10. In The Court Of Crimson King
11. Story (Original Members and Barry Godber Artwork) 12. I Talk To The Wind 13. Story (The Beatles) 14. You've Got To Hide Your Love Away
Disc 2(75:40)
1. Touch And Go 2. Trilogy 3. Still You Turn Me On 4. Greg's introduction to Questions and Answers 5. Question (Jimi Hendrix) 6. Question (Robert Fripp) 7. Question (Closer To Believing) 8. Question (Best Albums) 9. Question (ELP to reform) 10. Question (Best Gigs) 11. Christmas Story
12. I Believe In Father Christmas 13. Question (21st Century Schizoid Man) 14. Question (Bass Lines) 15. Shakin' All Over 16. Story (France) 17. Ces't La Vie 18. Story (Lucky Man) 19. Lucky Man 20. People Get Ready 21. Karn Evil 9 22. Finale





























