録音の宝庫である1978年でも、初期の大代表作となる極上ステレオサウンドボード・アルバムが登場です。本作に収められているのは「1978年6月27日トロント公演」。このショウはFM放送もされ、そのエアチェックが数々の既発を生んできた。本作は、そんな大定番サウンドボードの最高峰を究めた1枚なのです。大定番だけに何らかのタイトルで一度は耳にされていると思いますが、本作から流れ出るサウンドは史上最高。歴史的にこもったボケボケ・サウンドの既発もありましたが、本作はそうしたエアチェック盤とはまったく違う。放送前のリール・マスターから起こされており、エアチェック特有のノイズや揺れがまったく、極めて安定したオフィシャル・サウンドが艶やかに鳴る。しかも、そのエッジも鮮やかさの極み。楽器1つひとつ、1音1音に至るまで極めて鮮やかで、70年代プログレ最後の輝きが脳ミソに直接流し込まれてくる。“1978年のU.K.”と言えば、異常なほどハイクオリティ録音の宝庫ではありますが、その中でも傑出したステレオ・サウンドボードなのです。そして、本作は単なる“素晴らしいサウンドボード”以上でもある。そのポイントは、ショウの時期にある。まずは、当時の活動スケジュールから、本作のポジションをイメージしてみましょう。
《1月:1stアルバム発売》 ・4月29日-5月15日:UK(13公演)《約1ヶ月後》 ・6月23日-8月8日:北米#1(22公演)←★ココ★《約1ヶ月後》 ・9月1日-11日:北米#2(3公演)・9月18日-10月8日:北米#3(8公演)《約1ヶ月後》 ・11月9日:北米#4(1公演) 《11月:4人組解体→2ndアルバム制作開始》
これが『憂国の四士』リリースから2ndアルバム制作までの概要。当時の資料にはあやふやな点もあるので確実ではありませんが、おおよその概要はご理解いただけると思います。本作のトロント公演は「北米#1」の3公演目にあたるコンサートなのです。この「北米#1」こそ、ひとつのターニング・ポイントでした。実は、この1978年ツアーは、途中でセットリストが変わっている。「UK」から「北米#1」冒頭の数公演までが初期セットであり、その後の大部分は後期セットになるのです。その大きな違いは、ショウの中盤から後半にかけて。演奏曲自体はツアー後期と大差ないようにも見えますが、曲順が異なり、アルバム『憂国の四士』のムードが色濃く残っている。具体的に言いますと「Thirty Years」の後。後期セットでは「Thirty Years」のエンディングから「Presto Vivace And Reprise」→「In The Dead Of Night」と雪崩れ込むのが基本だったのですが、本作ではアルバムA面通りに「In The Dead Of Night」「By The Light Of Day」「Presto Vivace And Reprise」の流れで演奏されるのです。曲順だけではない。当時未発表の新曲「The Sahara Of Snow」「Carrying No Cross」「The Only Thing She Needs」が早くも披露されているのですが、その仕上がりがいかにも初期らしい。BRUFORDで正式に録音される「The Sahara Of Snow」はわりと完成しているものの、「Carrying No Cross」「The Only Thing She Needs」は『DANGER MONEY』とは違ってギターパートもあり、後者にはスタジオ録音にはないスローな中間パートもインサートされている。こうした新曲群は、レパートリー不足を補うためにツアーリハーサル中に書き上げたそうですが、まだまだ磨かれていないラフ・バージョンなのです。本作最大のポイントは、こうした初期ならではの聴きどころを極上ステレオサウンドボードで味わうことができる事。マニアの方々にはお馴染みと思いますが、このツアーからは公式化されたボストン公演をはじめ、シカゴ公演、フィラデルフィア公演、クリーヴランド公演などの優れたサウンドボードが残されています。しかし、そのどれもが後期セット。本作のトロント公演だけが初期セットを伝えるサウンドボードなのです。大定番サウンドボードを究極のマスターリール・クオリティで描ききった大決定盤です。それこそ、名盤『憂国の四士』にもっとも近いライヴアルバム、“生演奏版の憂国の四士”と言っても過言ではない1枚です。
Live at El Mocambo, Toronto, ON. Canada 27th June 1978 STEREO SBD(UPGRADE) (63:33)
1. Intro. 2. Alaska 3. Time To Kill 4. The Sahara Of Snow 5. Carrying No Cross 6. The Only Thing She Needs 7. Thirty Years 8. In The Dead Of Night 9. By The Light Of Day 10. Presto Vivace And Reprise 11. Radio Outro.
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
John Wetton - Vocal & Bass Eddie Jobson - Electric Violin & Keyboards Allan Holdsworth - Guitars Bill Bruford - Drums & Percussion





























