“奇跡のトリオ”の最高峰を更新するライヴアルバムが新発掘です! ドラマとクラシックをこよなく愛するドラマー、コージー・パウエルを得て巨大スケールのプログレッシヴ・ロックを見せつけたスーパー・ユニット、EL&POWELL。わずかアルバム1枚と11週間のツアーだけで崩壊してしまいましたが、残されたライヴ記録は凄まじい名作揃い。オフィシャル化も果たしたレイクランド公演が有名ですが、それ以外のオーディエンス録音も異常なハイクオリティ・サウンドの名盤ばかり。当店でも『FABULOUS SHOW(Virtuoso 073/074)』『HEADING FOR GLORY(Virtuoso 091/092)』『TOUR '86(Virtuoso 276/277)』等々、“サウンドボードもかくや”という大傑作をお届けしてきました。本作は、その列に並ぶ1作……いえ、凌駕するスーパー・サウンドなのです!そんな本作に収められているのは「1986年10月14日ボストン公演」。古くからコアなコレクター間ではBランクの録音も知られていましたが、本作はまったく別。ごく最近、かの名門「Kro_Co」が発表した新録音なのです。気になるクオリティの前に、まずはショウのポジションを把握してみましょう。
・8月15日-24日:北米#1(7公演)ー1週間後ー・9月1日-10月5日:北米#2(20公演)ー1週間後ー・10月12日-11月2日:北米#3(17公演)←★ココ★
これがたった1度きりのEL&POWELLツアーの全体像。北米1レッグだけでしたが、細かく見ると1週間の休みを挟んで3つに分けられ、本作のボストン公演は「北米#3」の3公演目にあたるコンサートでした。さて、本題。本作の最大にして最強のポイントは、異常なハイクオリティ・サウンド! 実のところ、ショウの前半がばっさり録音漏れで「Tarkus」の途中からという不完全にもほどがある録音なのですが、それでもプレスせずにはいられない超サウンド。ぶっちゃけ、最高傑作。曲間の生々しい喝采からオーディエンス録音に間違いないのですが、その演奏音は「まるでサウンドボード」。よく「サウンドボードっぽい」の意味でも使う言葉ですが、今回はそうじゃない。実は、ネットに登場したマスターには「Touch and Go」の冒頭にわずかに欠けがあり、そこをレイクランドのサウンドボードで補完しました。しかし、その繋ぎが分からない! 「っぽい」どころではなく「オフィシャルと違いが分からない」レベルなのです。そのサウンドで描かれるショウがまた、凄い。コージーは非常にマメな人でしてツアー中に日記をしたため、毎晩のショウの出来を残している。その日記によると、この日はなんと「9.5点(10点満点)」。オフィシャル盤でも有名なレイクランド公演は「3点」ですから、それだけ大満足のショウだったわけです。そして、本作から流れ出るライヴは、それが自己満足ではなかったことを証明する音の証拠。毎晩、一大スペクタクルなショウを展開していたEL&POWELLですが、この日のキレときたらハンパではない。1つひとつのフレーズはコージー印で、言ってしまえば手グセ。しかし、それがEL&Pの名曲群にビッシビシと楔を打ち込み、壮大に盛り上げまくる。このセンスこそ、コージーの命。彼以上にテクニカルなドラマーはいくらでもいますが、ここまで熱く雄大に“演出”できるドラマーはいない。トニー・アイオミは「パーカッシヴなドラマーは、悪いときはダメだけど、ハマると凄い。コージーはそういう流派なんだ」と語っていましたが、本作はその最高峰でもあるわけです。そして、それを目の当たりにしたアメリカの観客も素晴らしい。会場にはEL&Pファンが詰めかけているわけですが、1曲1曲を重ねる事に、コージーの凄まじさに圧倒されていくのが手に取るように分かる。そして「火星」のドラムソロで感極まった「Cozy! Mothefucker!!!」の声援が飛ぶ……。汚い言葉のようですが、これは悪口ではない。ソロがハイライトを迎えたタイミングといい、何より高揚しきった声色といい、明らかにエキサイトしているのです。しかも、この声援は(恐らく)録音者本人。これだけのハイクオリティ・サウンドですから相当に録音慣れしているはずですが、それでも、コージーのあまりの凄さに、録音していることを忘れて叫んでしまった……そんな「こりゃ凄ぇ!」なのです。そして、ソロが終わるや大喝采が会場中に広く広く伝播していく。そんなムードが超クリア・超リアルに刻まれているのです。コンサートの終演を告げるファンファーレの中、興奮しきった「ELP! ELP!」と「コージー!コージー!Mothefucker!!」の声と共に幕を閉じる本作。返す返すも、完全収録とならなかったのが惜しい。悔しい。しかし、長さでは過去の傑作群に引けを取ろうとも、最高値はどの記録よりも高いのです。サウンド、演奏、そしてリアリティ。あらゆるポイントで過去最高となるEL&POWELLの大傑作。31年の時を超え、今ここに誕生です!
Live at Opera House, Boston, MA. USA 14th October 1986 ULTIMATE SOUND (68:15)
1. Tarkus 2. Pictures at an Exhibition 3. Still You Turn Me On 4. Watching Over You 5. Dream Runner 6. Creole Dance 7. From the Beginning 8. Lucky Man 9. Fanfare for the Common Man 10. Touch and Go 11. Mars, The Bringer of War 12. Karn Evil 9 / America / Rondo 13. Finale





























