80年代最後の一大フェスティバル“Moscow Music Peace Festival”が史上最高峰クオリティで復刻です! 本作に収められているのは「1989年8月12日・13日モスクワ」で実現したソビエト連邦初の巨大ロックフェスで、出演陣はBON JOVI、OZZY OSBOURNE、MOTLEY CRUE、SCORPIONS等々など。本作は、そんな豪華絢爛フェスのオフィシャル映像を日本盤レーザーディスクから復刻したもの。これまでも失われたオフィシャル映像を復刻してきましたが、これは本当に凄い。凄まじいまでの1本です。このフェスの発起人は音楽プロデューサー/マネージャーのドク・マギー。彼が麻薬密売に関わった容疑で有罪判決を受けたのですが、その刑の中には罰金の他にも「長期の社会奉仕」があった。そこで、企画されたのが「旧ソ連のドラッグ、アルコール問題撲滅」を目指したチャリティ・プロジェクト“Moscow Music Peace Festival”だったわけです。ペレストロイカに沸き立つ旧・ソ連での画期的イベントは、世界中にテレビ放送されたほか、映像ソフトとしてもリリース。ところが、その後は正式なDVD化は行われず、噂だけは何度も立つものの実現していない。現在では某ネット通販大手でも粗悪な海賊版が出回っている状態なのです。そんな現代、もっとも優れた素材は、日本盤レーザーディスクです。レーザーディスクは規格からしてVHS/ベータのビデオ・カセットよりも高解像度・高音質なわけですが、当時、世界中でレーザーディスクで発売されたのは日本だけ。他国はビデオだけでした。本作では、当時2タイトルに分けてリリースされた日本盤レーザーディスクを両方復刻し、ディスク1に『MOSCOW MUSIC PEACE FESTIVAL VOL.1』、ディスク2に『同 VOL.2』を配し、4時間を超えるスケールを2枚組DVDに封じ込めました。しかも、本作の元になったのは国内コアコレクターが大事に保存していたミント盤で、キズどころか指紋ひとつない極上盤。走行ノイズや歪みのないレーザーディスク特有の映像美に加え、一切の変色・経年劣化もなく、まさに当時そのもののクオリティを現代に伝えてくれるのです。これまでも数々の映像タイトルをレーザーィスクから復刻してきましたが、今回はその中でも最上級。表示される日本語テロップも鮮やかで、最初からデジタル制作のDVDではないかと思うほどにビビッドなクオリティを誇っているのです。そんなクオリティで描かれるライヴは、7バンド+ジャムセッション。ディスク1にはBON JOVIをメインに、当時彼らがサポートしていたSKID ROWやCINDERELLAの3組。ディスク2は、ソ連のロックバンドGORKY PARKにMOTLEY CRUE、OZZY OSBOURNE、SCORPIONSの4組が収められています。その名前を列挙しただけでも豪華ですが、その1つひとつの輝きが猛烈。なにしろ、BON JOVIは『NEW JERSEY』時代ですし、CINDERELLAは『LONG COLD WINTER』時代、MOTLEY CRUEに至っては『DR.FEELGOOD』をリリースする直前。SKID ROWはデビュー直後の爆裂ぶりなら、OZZY OSBOURNEも加入した手のザック・ワイルドが大暴れ。どのバンドも今まさに栄華を極めているパフォーマンスを炸裂させているのです。しかも、ただの黄金期でもない。なにしろ現場は共産圏の本丸、ソ連。東欧のポーランドやハンガリーは少しずつ開かれていたとは言え、当時の西側バンドたちにとってロシアは完全に未知の世界ですし、そこに詰めかけた12万人のロシア人を前にパフォームするのです。鉄のカーテンに隠された人々の生活、熱気を目の当たりにした熱演に慣れも手抜きも挟まる余地がない。さらに、いつもは「これが俺たちだ!」で済むところが、この日ばかりは「これがロックだ!」という文化代表でもある。これ以上ない大舞台の大熱演ばかりなのです。その空気感を伝えてくれるドキュメントシーンが、また歴史感覚満点。ほぼ全曲の間に現地でのファンの様子やオフシーン、インタビューが挟まるのですが、そのコメント1つひとつまでもが“歴史が変わる!”という時代の匂いプンプン。ソ連の医師が「“アルコール反対、ドラッグ反対”、このスローガンよ、永遠なれ!」と共産主義者のイメージ丸出しで演説したかと思えば、IRON MAIDENの偽物Tシャツを見せびらかす若者が映し出され、ジョン・ボンジョヴィは「ブッシュとゴルバチョフの両大統領がオジーを知るのは歴史的だ」と語り、「4・5年前ならこういうバンドは、闇で売られるテープでしか聴けなかった」「ウッドストックのソ連版だ」というコメントも生々しい。すべてがソ連崩壊前夜でしかあり得ない光景ばかりなのです。正直なところ、ミュージシャンの「反ドラッグ、反アルコール」コメントは白々しいのですが(特にMOTOLEYやオジーに言われてもね……)、異文化・時代の激変を目の当たりにしたショックはリアルは感じられ、「物がなさすぎる」「チケットを買う人の列が7キロもできたんだ」と呆れるオジーのコメントも鮮烈。もちろん、そのムードはライヴ中のMCにも現れる。最後のジャムセッションではジェイソン・ボーナムを招いて「Rock And Roll」を演奏するのですが、そのジェイソンを紹介するセバスチャン・バックが「LED ZEPPELINを知ってるか?」と叫ぶ。好き嫌いはさておき、ZEPを知らないということもあり得る。西側のロック界では想像できない空気感が本作を包んでいるのです。さらには尻を出したトミー・リーの股間は「罰金137ドル」のテロップで隠され、2年連続のソ連ライヴとなったSCORPIONSは、たった1年の変化の大きさに戸惑う(この経験が名曲「Wind Of Change」の誕生へと繋がりました)。その総てに日本語字幕が付き、内容もビビッドに伝わるのです。世紀の大イベントを史上最高クオリティで蘇らせた1本。栄華を極めるHR/HMの輝きに溢れたオフィシャル・プロショットというだけでなく、世界史レベルの転換点に直面したからこその大熱演、そしてその現場の空気感までもが猛烈な4時間13分です。この一大イベントより27年、紆余曲折を経てロシアは大国としての存在感を取り戻し、中国がロックに門戸を開き始め、ついにキューバでTHE ROLLING STONESが50万人コンサートを行った。そんな2016年だからこそ、一層リアルに感じられる超・傑作です。メタルと共に蠢いていた世界の歴史。今週末、その巨大なスペクタクルをあなたのご自宅へお届けいたします。 Live at Lenin Stadium, Moscow, Russia 12th & 13th August 1989 PRO-SHOT Disc 1(123:42) 01. Behind The Scenes 02. Festival Introduction SKID ROW 03. Introduction 04. Holidays In The Sun 05. Makin' A Mess 06. Piece Of Me 07. Big Guns 08. 18 And Life 09. Youth Gone Wild CINDERELLA 10. Introduction 11. Bad Seamstress Blues/Fallin' Apart At The Seams 12. Coming Home 13. Nobody' Fool 14. Gypsy Road 15. Shake Me BON JOVI 16. Introduction 17. Lay Your Hands On Me 18. Wild In The Streets 19. Blood On Blood 20. Wanted Dead Or Alive 21. Livin' On A Prayer JAM 22. Hound Dog 23. Rock And Roll Disc 2(129:12) 01. Behind The Scenes 02. Festival Introduction MOTLEY CRUE 03. Introduction 04. All In The Name Of. 05. Wild Side 06. Girls, Girls, Girls GORKY PARK 07. Introduction 08. Bang 09. Within Your Eyes 10. Please Try And Find Me 11. My Generation OZZY OSBOURNE 12. Introduction 13. I Don't Know 14. Shot In The Dark 15. Suicide Solution 16. Sweet Leaf 17. War Pigs 18. Paranoid SCORPIONS 19. Introduction 20. Blackout 21. Big City Nights 22. Holiday 23. The Zoo 24. Dynamite 25. Still Loving You JAM 26. Long Tall Sally 27. Rock And Roll PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.253min