“ビッグ・イン・ジャパン”も、ここまで来れば凄まじい……そんな空前絶後の大全盛期を記録した極上映像が登場です。本作が撮影されたのは「1995年9月15日大阪フェスティバルホール公演」。“MAGNUM OPUS JAPAN TOUR”の一幕です。このツアーは本当に凄かった。早くからイングヴェイ人気の爆発していた日本ですが、1995年はその頂点。ライヴの本数も動員数もイングヴェイ史上最多で、北は北海道から南は九州まで列島を縦断。あまりズラズラと日程を並べても意味はないのですが、あんまりに凄いので(笑)並べてみましょう。 ・9月8日:鹿児島市民文化ホール ・9月9日:九州厚生年金会館 ・9月11日:広島郵便貯金ホール ・9月12日:松山市民会館 ・9月14日:倉敷市民会館 ・9月15日:大阪フェスティバルホール【本作】 ・9月16日:京都会館 ・9月18日:尼崎市総合文化センター ・9月19日:名古屋市公会堂 ・9月20日:栃木県総合文化センター ・9月22日:北海道厚生年金会館 ・9月24日:岩手教育会館 ・9月25日:秋田市文化会館 ・9月27日:新潟テルサ ・9月28日:イズミティ21 ・9月29日:神奈川県民ホール ・9月30日:日本武道館 いかがでしょう、日程だけでこのド迫力。全17公演はRAINBOW全盛期の1978年をも超え、90年代当時に同じように人気だったDREAM THEATERやMEGADETHでも到底太刀打ちできないスケール。しかも、東名阪のリピーターで数を稼ぐバンドとは違い、わずか3週間で全国をくまなく回り、各地を代表する名会場を総なめ。ここまでのビッグ&濃密&苛烈なツアーを行えたのは彼か、MR. BIGくらいのものでしょう。まさに人気絶頂を究めていたイングヴェイですが、本作のクオリティはそれに相応しい極上品。その撮影ポジションは……わ、分からない! 角度から2階席、それもステージ正面のやや左寄りなのは分かるのですが、それ以上はサッパリ。その原因は苛烈なまでのズームにある。イングヴェイとマイク・ヴェセーラをドアップで捉え続けており、それ以外がほとんど……いや、まったく映らない。前列の影はおろか、イングヴェイが思いっきりステージ前に出てきても、1階最前列さえ見えない。あまりの接写続きに、撮影ポジションが分からない次元なのです。それだけのズームでありながら、見づらくないから凄い。強烈アップでも鮮やかな画質やマスター鮮度も驚異的ですが、さらに凄いのがカメラワーク。さすがに手ブレ皆無とは言いませんが、「皆無ではない」程度のこと。ステージを激しく暴れるイングヴェイをド真ん中に据え続け、時に全身を、時にバストアップを、時に(当時ならではの)ヒゲ面を画面いっぱいに映し出す。それがまた、異様にカッコイイ。当時と言えばデブ全盛でもあったわけですが、フォトセッションとは違って口をすぼめるマヌケ面(絶対、止めた方がいい)などせず、「そこまで動いてナゼ痩せない?」と言いたくなるほどに暴れまくる。もちろん、それだけ動こうとも指先はさらに速く激しい速射に陰りなし。キビキビとしたアクションにも負けないキレの良いフレーズが絶え間なく浴びせられるのです。そんなイングヴェイと対照的なのがヴェセーラ。前年“SEVENTH SIGN TOUR”の『LIVE AT BUDOKAN』ではヒゲ面&短パンだった彼ですが、本作ではヒゲも剃り落とし、全身黒のシンプルな姿がシャープ。ヴェセーラならではの人懐こい声質のハイノートをバシバシ決めています。もちろん、他のメンバーも素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれるのですが、画面にほとんど出てこない上に、映っても暗がり(苦笑)。この2人こそが主役の映像作品なのです。そんな2人が描き出すショウがまた、大全盛期ならではのもの凄さ。新作『MAGNUM OPUS』から「Tomorrow's Gone」以外の全曲を披露。いつも自信満々のイングヴェイですが、ここまで徹底されると言葉もない。もちろん、持ち歌だらけのセットですからヴェセーラも余裕綽々の絶好調ですし、22曲も演奏しながら公式映像『LIVE AT BUDOKAN』と被っているのは5曲「Never Die」「Crash And Burn」「Seventh Sign」「Forever One」「Black Star」程度。そこに挟まる過去のレパートリーがまた美味しく、ALCATRAZZの「To Young To Die, Too Drunk To Live」やらDEEP PURPLEの「Burn」やら(せっかく『MADE IN JAPAN』の大阪フェスティバルホールなのですから「Highway Star」完コピにしてほしかったところですが)。ともあれ、これこそイングヴェイの大全盛期。1本のロック映像として強烈ですが、さらに『LIVE AT BUDOKAN』の続編としても『MAGNUM OPUS』の本生100%版としても楽しめる傑作ショットです。日本が愛したイングヴェイ・マルムスティーン。その頂点。 Live at Festival Hall, Osaka, Japan 15th September 1995 AMAZING SHOT!!! Disc 1(67:23) 1. Vengeance 2. No Love Lost 3. Never Die 4. Cross The Line 5. Icarus' Dream Suite Op.4 6. Far Beyond The Sun 7. I'd Die Without You 8. Crash And Burn 9. Keyboard Solo 10. Time Will Tell 11. Overture 1622 12. Trilogy Suite OP:5 13. Red House 14. Badinerie Disc 2(67:36) 1. Seventh Sign 2. Voodoo 3. Drum & Bass Duo 4. Drum Solo 5. Amberdawn/Brothers 6. The Only One 7. Fire In The Sky 8. To Young To Die, Too Drunk To Live 9. Forever One 10. Acoustic Guitar Solo 11. Black Star 12. Burn 13. I'll See The Light, Tonight Yngwie Malmsteen - Guitars Michael Vescera - Vocals Mats Olausson – Keyboards Barry Sparks - Bass Shane Gaalaas - Drums COLOUR NTSC Approx.135min