“OUT THERE! 2014”を代表する極上プロショットがリリース決定。本作に収められているのは、2014年最後のライブ・スケジュールとなった南米ツアーのうち、「2014年11月25日サンパウロ公演」。このショウはマルチカメラのプロショットで撮影され、全世界に公開された映像。ライヴ直後からさまざまな動画サイトにも溢れ返りましたが、本作はそれらとは一線を画す極上マスターからダイレクトにDVD化したものです。実際、そのクオリティは驚異的。残念ながら2013年の日本公演のような完全版ではなく、ライヴが後半に差し掛かったところまで(「Live And Let Die」最初の花火と同時に放送が終了します)なのですが、クオリティ自体は日本公演さえも凌駕する。画質・音質はもとより、サウンド・プロダクションにカメラ・ワーク……その総てがまさに「オフィシャル級」。近年のプロショットでも屈指の大傑作なのです。そんな映像美で描かれる“OUT THERE! 2014”。実は当時、結構衝撃的でもありました。2014年と言えば、ポールの急病で日本公演がキャンセルになりましたが、本作のサンパウロ公演はその半年後。6キロも体重を落としたというポールの姿に不安になったものです。特に、彼がピアノ・ナンバーを弾く際に顔がクローズアップになるとよく解る。日本公演と見比べても一目瞭然ですし、あまりに画質がクリアなこともあって老けて見えてしまうのです。しかし、その一方で肝心要の演奏や歌声は絶好調。それどころか「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のキビキビとした動きなどからは、むしろ痩せたからこその“身軽さ”まで感じられる。それに対する盛り上がりも素晴らしい。南米公演と言えば常に熱狂的なものですが、この「Ob-La-Di♪」での盛り上がりをみせた場面は最高潮。演奏がスタート当初から客席には風船が溢れ(ストーンズのハンプトンそっくり)会場内を飛び交う。しかも、それだけでは収まらず、演奏が終わった後も止まない合唱に触発されてポールたちがこの曲でリプライズを展開するという場面まで飛び出します。この曲を歌っている最中でポールの声がひっくり返ってしまうシーンもあるのですが、そこでも余裕の表情でやり過ごしている。これ1曲だけでも非常に楽しめるライヴ映像なのです。また、この日の「Maybe I'm Amazed」も素晴らしい演奏。ポールの声もよく出ているだけでなく、彼がピアノを連打したかと思えばラスティ・アンダーソンはギターを弾きながら観客を煽って見せるなど、白熱の演奏シーンが描かれる。その一方で、この放送はキーボードのウィックスがほとんど映し出されないという不思議なカメラ・ワークでもあるのですが、それも曲後半で思い出したように連続して映し出される。いかに技術・クオリティが上がっても、どこかズッこけてしまうところも南米らしいと言いますか、妙に面白くなってしまいます。この日の凄まじい盛り上がりはアコースティック・ナンバーで観客の号泣する姿が映し出されるといった場面からも伝わってくるのですが、それ以上に二度に渡って「She Loves You」の大合唱が沸き起こるシーンが実に感動的。もっともポールはこの曲を演奏するような素振りはみせず、観客に向けて「We love you!」と応えてうまくかわしているのですが(笑)。とにかく、文句の付けようがない極上画質&音質を誇るプロショット。このショウから3年、私たちの心配をよそにポールは2015年・2017年と元気に日本に帰ってきてくれました。そんな今だからこそ、安心して極上クオリティに浸りきれる1枚。 Live at Allianz Parque, Sao Paulo, Brazil 25th November 2014 PRO-SHOT (1:19:51) 1. Pre-Show 2. Eight Days A Week 3. Save Us 4. All My Loving 5. Let Me Roll It 6. My Valentine 7. The Long And Winding Road 8. Maybe I'm Amazed 9. And I Love Her 10. Blackbird 11. Here Today 12. New 13. Lady Madonna 14. All Together Now 15. Everybody Out There 16. Eleanor Rigby 17. Something 18. Ob-La-Di, Ob-La-Da 19. Band On The Run 20. Back In The U.S.S.R. 21. Let It Be 22. Live And Let Die (Intro Only) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.80min.