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Kylie Minouge カイリー・ミノーグ/Tokyo,Japan 1989

メガヒットを連発し、大成功の階段を一足飛びに駆け上がっていた1989年のカイリー・ミノーグ。そんな彼女の初来日公演を記録したオフィシャル映像がリリース決定です。彼女が初めて来日公演を行ったのは1989年10月のこと。その前年となる1988年にも某音楽イベントへの参加が予定されていましたが、昭和天皇の病状が悪化したために日本中が自粛ムード。イベント自体が中止となってしまいました。そして、元号が改まった平成元年。DEAD OR ALIVEやシニータを従えたカイリー初のワールドツアー“MEGA DISCO in DREAM '89”が実現し、そのキックオフ地に選ばれたのが日本だったのです。そんな初来日のうち、ハイライト公演となったのは「1989年10月6日:東京ドーム」。このショウは当時『ON THE GO: LIVE IN JAPAN』としてまとめられてリリース。その後、公式にDVD化されることもなく廃盤になっている幻の映像作品なのです。まずは、記念すべき初来日のスケジュールの中でショウのポジションを確認してみましょう。 ・10月2日:名古屋レインボーホール ・10月6日:東京ドーム 【本作】・10月7日:大阪城ホール ・10月8日:大阪城ホール 以上、全4公演。前述の通り、日本は初ツアーのキックオフ地。彼女にとって初めて世界のステージへ飛び出したばかりの2公演目でもありました。そんなショウを記録した本作は、文字通りのオフィシャル級。アナログ時代の映像だけに現代基準ではやや暗めではあるものの、サウンドもカメラワークも時代の星として輝いていた彼女に相応しいメジャー級クオリティです。そのクオリティで描かれる中身こそが凄い。実は、本作をプロデュースしたのはカイリー自身。そのコンセプトはコンサート映像が半分、ツアー・ドキュメンタリーが半分。ショウの全曲を収録してはいますが、そこにリハーサルやオフステージ、移動風景もたっぷりとまぶされ、インタビューやファンとの交流も挟まる。ステージだけでなく、トータルで“21歳のカイリー”に出逢える作りなのです。実際、その作り込みこそが楽しい。メインのショウもメジャー級らしさ全開のゴージャスぶりですし、バックダンサーを従えて初めてのステージショウに発奮して「イチ・ニ・サン・シー!」と叫ぶカイリーが初々しい。オモチャの汽車に乗って登場する「The Locomotion」、エアロビが大ブームとなっていた時代の薫りたっぷりな「Made In Heaven」、健康美が弾ける「Got To Be Certain」などなど、遊び心満点。その真ん中ではしゃぐカイリーもセクシーではあるけれど、あどけなさの残る笑顔が輝くのです。どの曲もライヴ・クリップのような見応えなのですが、ちょっと面白いのが「Je Ne Sais Pas Porquoi」。バックダンサーの衣装や振り付けがマイケル・ジャクソン丸出しだったりもしますが、それ以上に微笑ましいのが中盤。振り付けを間違えたのか、カイリーがマイクを離れても歌がそのまま流れ、口パクがモロに分かってしまう。慌てずすぐフォローするのは流石ではありますが、公式映像だというのに構わずミスシーンを使ってしまうところにもイケイケなバブルの薫りがするのです。それ以上に時代ムンムンなのがオフシーン。曲間には、初めてのワールドツアーに興奮するカイリーの姿がたっぷり。リハではお構いなしにすっぴんで登場し、貸し切った新幹線の車内でスタッフのバースデイ・パーティ。街に出ては境内で日本人ファンと踊り、修学旅行中の高校生に囲まれてサインをせがまれる(高校生の「すげぇ、カイリーだよ!」も生々しい)。新幹線のホームでは、駅員のおじさんとダンスもしています。それだけでなく、本作の隅々からはしゃぐカイリーの気持ちが透ける。前述しましたが、本作をプロデュースしたのは彼女自身。街中では初めて見る(懐かしい)日本語看板が次々映され、皇居前で国旗を振る群衆や歌舞伎、祭り、高校球児などの映像が登場。どれも彼女の目から見た日本なわけですが、そのすべてに平成元年が刻まれているのです。さらに和服に身を包んでは「ステージでも着ようかしら」と言ってみたり、肩パッド全開な日本人女性に手巻き寿司を教わったり。初出演した映画『恋に走って(デリンクエンツ)』についても語り、一部のシーンが使われてもいます。そうかと思うと、東京ドームの設営シーンでは真剣に現場を確認し、カメラを案内していく。ステージ・プロダクションも手がけているらしく、そこには様々な分野に野心的に取り組み、キャリアを楽しむ彼女がいるのです。これこそ、カイリーが世界に羽ばたいた刹那。そのゴージャスなショウだけでも最高ですが、それ以上に平成元年の日本そのものが丸ごと詰まっている。目にする物すべてが楽しくて仕方がない初々しいカイリーと、彼女と共に新時代を迎えた日本。その双方に出逢える娯楽作です。平成が終わろうとしている今だからこそ、感慨もひときわな1枚。 Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 6th October 1989 PRO-SHOT 1. Intro 2. Hand On Your Heart 3. Interview 4. The Locomotion 5. Moving / Rehearsals 6. Made In Heaven 7. Interview 8. Got To Be Certain 9. Off Shots / Interview 10. Je Ne Sais Pas Porquoi 11. Off Shots / Interview 12. Wouldn't Change A Thing 13. Tears On My Pillow 14. I Should Be So Lucky PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.56min.

Kylie Minouge カイリー・ミノーグ/Tokyo,Japan 1989

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