英語の苦手な方にも“50歳のボウイ”に触れていただける日本語字幕付きのテレビ特番をご用意しました。本作に収められているのは、「1997年1月」に収録されたテレビ番組“AN EARTHLING AT FIFTY”。ボウイの50歳を記念する特番で、収録場所はニューヨークです。90年代後半の放送でもあり、クオリティはもちろんバリバリのオフィシャル級プロショットです。そして、気になる番組内容はボウイを中心にしたインタビューもの。テーマは“ボウイの50年”と、当時リリース直前だった新作『EARTHLING』です。ニューヨーク界隈の路上インタビューもありまして、そこではなぜか番組DJが「ジギースターダストを探してるんだけど、知らない?」と訊いて回ったり、「ボウイがジャングルやるってどう思う?」と質問していく。「ボウイがジャングル系? マジで? デヴィッド・ボウイが50歳でジャングル?」「まさかDJでもはじめるの?」と本気で驚くファンの表情も見物です。しかし、それはあくまで余興。肝心要はもちろんボウイ本人へのインタビューです。まず強烈に印象的なのは、ボウイの上機嫌ぶり。もちろん、マジメに語るシーンもあるのですが、約9割は笑顔。それも微笑みなどではなく、何かキメてる?と訝しくなるほどの大爆笑。「発音は“ボウイ”でいいんだ。こちらでは“ブーイ”と呼ばれる」「この髪型は整髪剤がないと溺れたネズミになる」等、面白いのかそうでもないのか分からないジョークを連発しながら、大いに語る。ボウイの側らに来るべき“EARTHLING TOUR”のステージを確認する模型が映り、「お、レア!」と思うのも束の間。その模型で遊び始め「カリフォルニアのギグだー!」と言いながら、グチャグチャに揺する。もちろん、3年前(1994年)に起きたカリフォルニア大地震のブラック・ジョークだと思いますが、黒すぎる……。もちろん、そうは言ってもインタビューの内容は濃い。音楽への想いはもちろん、ジギーから逃れたくなった当時やベルリンへ移り住んだ経緯、ドラッグに苦しんだこと、マネジメントを手がけることにした理由、宇宙人について、ロックの発展と共に生きてきた人生観など、話題は多岐に渡ります。いくつか挙げてみますと……
「(70年代にやったことを振り返ってる?と訊かれ)ああ、すごくね。当時やっていたものがすごくよかったからさ。また使えると思ったんだ。このリフとこのリフを合わせるといい感じだ……とか。徐々に自分に対して“畏敬の念に満ちる”のさ。僕にとっての黄金時代だった。今は“青”の時代だよ。だから自分自身を見直してる」
「ジギーはとにかく楽しくて生意気なやつだったのさ」「クリーンになる頃だと妻と感じたんだ。僕らはすぐロスから飛び立った。向かったのはヘロインの都ベルリンさ。誓って言うが何も知らなかった。ロマンチックさと歴史にひかれて選んだ」
「ドラッグの世界を末端まで知った人間は抜け出すとき、人間性に優れて出てくる気がするんだ。経験できて心からよかったと思うよ。もちろん誰にも勧めることは絶対にない。“スペースシャトルで月まで行ってこい”と言うのと同じだろう。実際には事故が怖いし、勧めない。でもその旅が素晴らしいこともわかるんだな。僕はその危険の中から運良く生還することができたから経験して良かったと言えるんだ」
「僕らの世代はとにかく自分の持論一筋で思い上がっていた。僕らが実行したものの中で、特に役立ったのは19世紀の古い考えの撤廃だった。社会に根付いていた階級格差、エリート主義、人種的偏狭。セックスに対する態度も改めるべきだと感じた。僕らは多元的社会の誕生に貢献したのさ。“70年代は21世紀の始まりだ”。最高の名言じゃないか?」
「(少々大げさじゃない? いちミュージシャンの立場で社会に多大な影響を与えたのは自分たちだと主張するのは……)それが僕らなんだよ!」
「ロックは非常に的確に、そして人々の思考に焦点を定め、反映させることができる。当時の僕はかなり激しい音楽に魅力を感じていた。ビートルズ派ではなく、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドだ。ビートルズの中ではポールよりジョン・レノン派だ」「自分でも結構大成功していたと思う頃でも、主流派であることにとても抵抗を感じた」
……等々など。これでもホンの一部です。危険な発言から(文字にすると)ジョークか本気か迷う言葉まで多彩ですが、そのすべてが日本語字幕とボウイ自身の声色・表情でビビッドに伝わるのです。興味深いだけでなく、観ているだけで笑みが浮かんでしまう1時間。今週末は満面の彼と共に、“ボウイとの50年”を振り返ってください。
Looking Glass Studios, New York, USA January 1997 PRO-SHOT (54:01)
1. Introduction 2. Interview 1 3. Interview 2 4. Interview 3 5. Interview 4 6. Interview 5 7. Interview 6 8. Interview 7 9. Interview 8 10. Interview 9 11. Interview 10
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.54min.





























