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Who,The ザ・フー/England,UK 11.1.1973

現在に至るまでアイテムがアメリカ・ツアーに限定されているザ・フー1973年の「QUADROPHENIA」ツアー。つい最近でも伝説のテーパー、マイク・ミラードの記念すべき処女録音となった「L.A. FORUM 1973 2ND NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES」がリリースされたばかりですが、これまたアメリカ・ツアーからの音源。他にもラジオ用音源のそれぞれ全長版である「DEFINITIVE PHILADELPHIA 1973」、「DEFINITIVE LARGO 1973」といった具合に、このツアーは完全にアメリカ日程から生み出されたアイテムしか存在しないという状況が長年に渡って続いています。しかし「QUADROPHENIA」ツアーそのものは10月末から約二週間に渡って母国イギリス回る日程が最初であった。ザ・フーのコアなマニアであればこうした事実はご存じかと思われますが、そのイギリス・ツアーからアイテムが一切生み出されておらず、トレード音源にまで手を出したマニア以外は先のアメリカでのラジオ放送用音源でツアーを垣間見るしかありませんでした。もちろんイギリス・ツアーでも音源は存在しています。ところが、現存するオーディエンス録音の数が限られており(音源が発掘されていない日も)、おまけに音質が悪い。11月6日のニューキャッスル公演のようにライブを中盤までしか収めていない音源まである。そのような状況ではトレード・レベルの音源に(覚悟を決めて)手を出さない限り「QUADROPHENIA」ツアー、イギリス日程の様子を伺い知ることは出来なかったのですが、つい最近になって突如発掘され世界中のマニアを驚愕させたのが11月1日のマンチェスター公演。「QUADROPHENIA」ツアー同地の公演は都合二回行われており、二日目の音源は古くから出回っていてYouTube上でも聞かれます。ところが、この日のオーディエンス録音ときたらイギリス・ツアー中で最悪と断言できるほどひどい音質で、最後まで聞き通すのが不可能では?と思えるほどの荒くれクオリティだったのです。その点、今回のマンチェスター初日は驚くほど聞きやすい。もちろんモノラル録音の典型的なビンテージ・オーディエンスではあるのですが、先のような荒くれ感が一切ない。会場では爆音で鳴っていたのだと推測されるフーのライブ・サウンドを1970年代の録音機材が捉えると一歩間違えれば飽和して聞くに堪えない轟音へと堕ちてしまうことすらあり得る訳ですが、今回の音源はそんなこともなく、むしろ迫力満点の音像で捉えてくれている。本当に迫力が素晴らしく、マニアであれば聞いていて興奮すら覚えるかもしれません。またテープの保存状態が奇跡的と呼べるほどのコンディションでもあって、ざらついたヒスノイズが入ることもない。同じ73年ということで先のミラード処女作「L.A. FORUM 1973 2ND NIGHT」と比べてみると聞きやすさや安定度など、トータルで今回の音源の方が上回っている事を実感されるのでは。そのリリースに際して手を加える個所がほとんどなかったことにも驚かされました。こうして73年「QUADROPHENIA」イギリス・ツアーからようやく、じっくり聞きこめるクオリティの音源が発掘されたのです! そして「QUADROPHENIA」を引っ提げたツアー自体の三日目という、極めて初期の段階のステージだけあって演奏内容が非常に面白い。何しろアルバムがリリースされる前日のショーです。しかもピート入魂の「QUADROPHENIA」ということもあり、同パート開始前は彼が丁寧に、しかも長く説明してくれる場面からしてツアー序盤らしい。その幕を開ける「Real Me」は爆裂するような勢いの中で演奏されたものの、この後でさっそくハプニング発生。通常であれば間髪入れずに雪崩れ込むはずの「The Punk and The Godfather」をピートが弾き始められず、気まずい間が続きます。おかげで場内もざわつき始めてしまうのですが、そこをピートが「shut up!」と一喝して再開。ちなみに翌日は滞りなく演奏されており、なおさらここでのハプニングが際立ちます。この場面だけでも非常にスリリングな場面だった訳ですが、今度は「Drowned」を始めようとしたところでピートのギターのチューニングが狂いまくり。ここではキースもMCで場をつなげようと助け舟を出していますが、ピート自身はチューニングを直した形跡がないのでギターそのものを交換からの仕切り直しとなったのでしょう。そんなツアー序盤らしいハプニングだけでもドキュメントの価値十分なのですが、「QUADROPHENIA」セットのテンションは非常に高い。そうしたハプニングをものともせず、気合で乗り切ってる感がありありと伝わってくるほど。「Love Reign O'er Me」の演奏はそんなパートの大団円に相応しいものでした。リリース直前であった「QUADROPHENIA」パートを終えた解放感からか、ライブ後半の演奏はエンジン全開。かと思えば「See Me, Feel Me」における大合唱の盛り上がりもアリーナを使ったアメリカとは違う、マンチェスターのコンサート・ホールらしい和やかさが伝わってきてほっこりさせられるかと。そして熱演の一日は「Magic Bus」で締めくくられるのですが、同曲がジャムに発展してピートが弾きだしたのは何とフリーの「All Right Now」のリフ。これが単に繰り返されるだけに留まらず、果てはロジャーが同曲を歌い出す展開にまで発展するのだから驚きです。実のところ、この展開は72年のヨーロッパ・ツアーからたまに見られた光景なのですが、こうして音盤化されるのは今回が初めて。それが73年の「QUADROPHENIA」をメインにしたステージの締めくくりで演奏されるというのも貴重。これまで完全にアメリカでの音源に偏って一切のアイテムが存在しなかった「QUADROPHENIA」イギリス・ツアーからマニア狂喜の初登場オーディエンス録音が遂にリリース決定。Kings Hall, Belle Vue, Manchester, UK 1st November 1973 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) Disc 1 (57:40)1. Intro 2. I Cant Explain 3. Summertime Blues 4. My Generation 5. I Am The Sea 6. Real Me 7. Punk and the Godfather 8. I'm One 9. Helpless Dancer 10. 5.15 11. Sea and Sand 12. Drowned (False Start) 13. Drowned Disc 2 (73:40) 1. MC 2. Bell Boy 3. Doctor Jimmy 4. The Rock 5. Love Reign O’er Me 6. My Generation/Jam 7. Pinball Wizard 8. See Me Feel Me 9. Wont Get Fooled Again 10. Magic Bus 11. All Right Now/Jam ★フリーのAll Right Nowでジャム・歌入り(激レア)

Who,The ザ・フー/England,UK 11.1.1973

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