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Bob Dylan ボブ・ディラン/London,UK 1964 & more Remastered

今から10年前に「THE FREEWHEELIN' BOB DYLAN」の貴重なセッション音源が一挙公開されて世界中のマニアを昇天させたように、2014年には1964年の貴重な音源が一挙に公開されました。その中でも目玉となったのがディラン初の公式イギリス・コンサートである5月17日のロイヤル・フェスティバル・ホール。そうした歴史的な一夜だけのことはあり、古くからコンサートの模様が伝えられていたと同時に、実は公式に録音も行われていたことまで明らかとなったのでした。つまり、PAアウトのサウンドボードの類ではなく、4トラック・レコーダーを使った正規のステレオ・レコーディングが。とはいえ64年のディランと言えばハロウィン・コンサートこと10月31日のフィルハーモニック・ホールがあまりにも有名で、21世紀を迎えると晴れて「LIVE 1964」としてのリリースまで実現。そんな64年のディランを代表する音源の約半年前にも立派なライブ・レコーディングが存在することがマニアの研究によって判明し、その発掘が渇望されていたもの。その後21世紀を迎えてアセテートに収められた二曲だけ登場してマニアを騒然させたと同時に「本当に存在するんだ…」と認識させられたものでした。案の定、音質は素晴らしいステレオ・サウンドボード。そうなれば全長版を誰もが聞きたくなるものですが、それを可能にしてくれたのは「流出」ではなく「時間の経過」でした。音源が録音から50年を経過してしまうと…という「大人の事情」によって、幻のロイヤル・フェスティバル・ホールが明るみになったのが2014年。とはいえLPのみというひねくれたフォーマット(笑)での公開であり、それをすかさずCD化したのが「LIVE AT ROYAL FESTIVAL HALL 1964」だったのです。単に幻のライブ録音というだけでなく、先の理由から音質も完璧。それでいてハロウィン・コンサートとはまるで違う演奏内容に世界中のマニアが驚愕。その音源が登場するまでは当日披露されたと噂されていた「Down the Highway」が実際には演奏されておらず、それが誤報であったことまで判明するというミソも付いたほど。掛け値なしに貴重な音源であったばかりか、その上ステレオで音質最高…というマニアにとって夢のようなライブ音源のCD化は必然と言えました。それ故2014年にリリースされた「LIVE AT ROYAL FESTIVAL HALL 1964」は当然Sold Out。単に入手困難になったアイテムの再発というだけでなく、マニアはおろか初心者でも安心して楽しめるフォーク時代ディランのステレオ・サウンドボード・アルバムとしての安定供給が必然とされたレベル。そこで今回、世界中のマニアが待ち望んだ再発が実現する訳ですが、その監修に当たったGraf Zeppelinをして「ほとんど手を加える必要がなかった」と言わしめたほど。よってロイヤル・フェスティバル・ホールのパートは前回と変わりないのですが、LPが元であるがゆえに生じていたノイズのいくつかを削除。それ以上にGraf Zeppelinが着目したのはボーナストラック。それらもまた2014年当時、同じタイミングで公開された音源群なのですが、テレビでの演奏「With God On Our Side」は元のフィルムの劣化から音声にヨレが生じていました。そこをGraf Zeppelinはしっかりアジャスト。さらにはピッチそのものまでも正してくれたのです。こうして最高音質で記録されたディラン初のイギリスでのステージは演奏内容やセットリストが面白すぎる。64年の5月のイギリスはそれこそ彼の最新アルバム「THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN’」がリリースされたばかりというタイミングであり、フェスティバル・ホールに詰めかけたイギリスの聴衆にとっては「THE FREEWHEELIN' BOB DYLAN」の印象が圧倒的に強く、なおかつ同アルバムからの演奏を期待していたはず。ところがディランがそんな市場調査をしてステージに挑むはずもなく(笑)ソングライターとして急激な成長の真っただ中であった彼は最新アルバムから半分、そして新旧の未発表曲が半分を占めるという、あくまで当時の自身の最新モードを投影させたステージとなったのです。特に前半の構成は攻めすぎと言ってもいいほど。「THE FREEWHEELIN~」からは「Girl From The North Country」が辛うじて歌われた(この演奏が素晴らしい)程度で、よりによってそれまでのアルバムの収録から漏れた「Talking John Birch Paranoid Blues」や「Walls Of Red Wing」といった未発表曲を平然と歌い上げる。それどころか、この時点ではまだ録音すらされていなかった次作「ANOTHER SIDE OF BOB DYLAN」収録曲までガンガンにセットインという具合。かと思えばライブ後半はアルバムそのままの憂いを感じさせた「Restless Farewell」、さらには同アルバムからのお蔵入り「Eternal Circle」といった調子で「THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN’」モードが強まるのも貴重。極めつけは出来立ての新曲であったばかりか、次作「ANOTHER SIDE~」のセッションでも一旦はお蔵入りとなる「Mr. Tambourine Man」を初めて人前で歌ってみせたのがロイヤル・フェスティバル・ホールだったという。それだけに慎重で丁寧な演奏ぶりが聴く者の心を打たずにはいられません。「Blowin' In The Wind」と同じく稀代の名曲として親しまれることになる傑作が初めてライブ披露された場面が最高の音質で記録されていたのは本当にラッキーでした。そして「ANOTHER SIDE~」やハロウィン・コンサートになると64年下半期ディラン特有のフニャっとした歌い方が顕著(=マリファナ)に現れるのですが、この時点ではまだ前年までの覇気が残っており、その独特な歌唱も本音源の大きな魅力。一年を通して過度期と言えた64年、その中でもさらに貴重なステージを完璧な音質で捉えたステレオ・サウンドボード・アルバムが待望のリリース!(リマスター・メモ)元々音が良いので殆どノータッチで、時折気になったノイズを除去してます。ボーナス9曲目ピッチと出だし、エンディング付近の音ヨレを修正 Royal Festival Hall, London, UK 17th May 1964 STEREO SBD Disc 1 (45:48) 1. The Times They Are A-Changin' 2. Girl From The North Country 3. Who Killed Davey Moore? 4. Talking John Birch Paranoid Blues 5. Ballad Of Hollis Brown 6. It Ain't Me, Babe 7. Walls Of Red Wing 8. Chimes Of Freedom 9. Mr. Tambourine Man 10. Eternal Circle Disc 2 (52:51) 1. A Hard Rain's A-Gonna Fall 2. Talking World War III Blues 3. Don't Think Twice, It's All Right 4. Only A Pawn In Their Game 5. With God On Our Side 6. The Lonesome Death Of Hattie Carroll 7. Restless Farewell 8. When The Ship Comes In Bonus tracks BBC “Tonight” TV Programme, Broadcasted on 12th May 1964 9. With God On Our Side ATV “Hallelujah” Programme, Recorded on 14th May 1964 (never broadcast) 10. Don't Think Twice, It's All Right STEREO SOUNDBOARD RECORDING

Bob Dylan ボブ・ディラン/London,UK 1964 & more Remastered

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