ジョージ・ハリスン生前最後のイギリス公演の極上音質盤をリマスター再発!2016年6月にリリースされ、短期間で完売した「GEORGE HARRISON - ROYAL ALBERT HALL 1992」。今回、この人気タイトルのマスターのリマスター!元々録音者のマスターカセットよりダイレクト収録(THAT'S MRX PRO 90(Metal Position: Type IV) X 2本)した驚愕の完全初登場音源で、しかも最高レベルの音質だったタイトルにつき、大人気を博したものでした。ハイポジ・カセットのアナログ録音ならではの自然な高音の伸びやクリアネスは既発盤では味わえなかった大きな魅力でしたが、今回のリマスターのポイントは、さらに中高音域を中心に補正し、耳当たり重視の落ち着いたサウンドを実現したことです。リマスターでよくある「迫力が増した」とか「音圧がある」とか、やたら機械的にダイナミックにするリマスターとは真逆の方向でした。さらに、ソングリストに表記していますが、同日別ソースで曲間を3箇所補填し、過去最長収録を実現しました(今回は3分ほど増加しています)。同日別ソースは同じしゃべり声や拍手が聞こえる事から、本作の元マスターとは互いに非常に近いポジションである事が分かるもので、従って音質の差はない、補填には最適のソースでした。トータルとして、オリジナルマスターそのものの自然なサウンドが忠実に再現でき、3分増の最長版となって新たに生まれ変わった本作は、これこそこの公演音源の決定版であり、最高峰であると断言致します。さて、改めてこのジョージ・ハリスン生前最後となったイギリス公演について解説しておきますと、1992年4月6日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて、名目は、当時ジョージが支持していた政党「For Natural Law Party」の支援コンサートとして行われたものでした。この前年12月には日本にてジョージとクラプトンwithヒズバンドのツアーが行なわれたことはご存知でしょうが、このツアーで74年のライブステージの悪い思い出を払拭したジョージが母国イギリスでもコンサートを行なう決心をし、実現したのが当コンサートでした。この半年後にはボブ・ディラン、デビュー30周年記念コンサートに参加するなど、当時は「遂にジョージもアクティブなステージ活動に戻ってくれたか。またツアーに本格復帰してくれるのでは。」と錯覚しそうになったほど。しかし1993年以降はビートルズ・アンソロジーのプロジェクトや自身の健康問題などが重なり、結果としてこのコンサートが彼のラスト・ライブとなってしまったのです。このコンサートでジョージのバックを務めたのは、前年同様クラプトンのバックバンドでした。しかしながらクラプトン本人とベースのネイザン・イーストは参加しなかったのです。彼らの代わりは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのギタリスト、マイク・キャンベルとセッション・ベーシストとして有名なウィル・リーが務めました。イ-ストは多忙なセッションミュージシャンでもありましたので、都合がつかなかった可能性もありますが、クラプトンの不参加には、実はこのタイミングでのジョージとの思わぬ確執という原因があったのでした。前年のジャパンツアーのライブアルバムを公式リリースすることになり、ジョージはそのマスターテープのプロデュースに当たっていたのですが、ジョージの意思により、コンサートの中盤に挿まれたクラプトンの単独セット30分間はライブアルバムには収めないという決定がなされました。それにクラプトンが激怒し、ジョージも譲らず、両者は険悪な仲になってしまったというわけです。ジョージは自分のライブアルバムであるなら、音世界の変わるクラプトンのセットははずそうと思ったのですが、クラプトンとすれば、ジョージの復活ライブはすべてを収めてこそ真実が伝わると考えていたようです。折り合わないやり取りの結果、クラプトンは自分のバンドを貸すことは認めたものの、自身は参加しないとジョージに伝えました二人はその後、ディランのデビュー30周年記念コンサートで顔を合わせましたが、言葉を交わすことさえしませんでした。しかし、1999年、クラプトンがチャリティ目的でクリスティーズ・オークションに出品した際、ジョージは会場に駆けつけ、ギターを抱えて仲良くツーショットに収まりました。そこでジョージは、元々前年ツアーでは、アンディ・フエザー・ロウの前に推薦していたマイク・キャンベルに声をかけ、ウィル・リーをリクルートしたというわけです。クラプトンの不在により、魅力は半減したかのように思えますが、ビートルズ・ファン、ジョージ・ファンからすれば、これが本来のジョージ・ハリスン・メインのコンサートだったと見る向きもありました。中盤にゲストのセットを挿まず、一気に自身のナンバーで完遂する。確かに観ている側の緊張感を途切れさせず、これぞジョージ・ハリスンのコンサートだったとも言えるでしょう。またこのコンサートにはジャパン・ツアーとは異なり、オープニングアクトがありました。ジョー・ウォルシュとゲイリー・ムーアです。オープニングアクトでしたので、彼らのステージはショートセットとなっていましたが、本作ではそれも完全収録。当日の完璧な再現となっています。もちろん彼らのセットの音質もメインのジョージのセットと同じ極上音質で収録されています。彼ら二人はアンコールにも登場しますので、当日の流れを?んでいただく上でも是非ジョー・ウォルシュのセットからお聴きいただければと思いますウォルシュもムーアも、味のある素晴らしいギタリストですから)。ジャパンツアーとは異なったセットリストとゲストの出演!この公演の写真をご覧になればお判りのように、この時のジョージはジャパンツアー時とは違い、口髭を生やしていました(だからオフィシャルライブ盤のジャケットのジョージのイラストは髭を生やしていたのですね)。セットリストは、前年のジャパンツアーからは少し変わっており、「If I Needed Someone」と「Dark Horse」の2曲がカットされていますが、マイク・キャンベルはビグズビーのトレモロユニットをマウントしたブラックフニッシュのリッケンバッカー325を弾いていたのです。そう、ジョージの盟友ジョン・レノンを意識して初期のビートルズを再現していたのです。泣けますね。「Taxman」の後でジョージが母国のオーディエンスにもかかわらず、ついジャパン・ツアーかと錯覚してしまい、日本語で「ドウモアリガトウ」とお礼を言うのはマニアにはおなじみの迷場面ですし、同曲の後でバンドメンバーを紹介するのもジャパンツアーにはなかった新鮮な部分です。さらにバンド・アンサンブルにも違いがあり、「Isn't It Pity」の後半ではジャパンツアーと違い、グレッグ・フィリゲインズも歌い、まるでビリー・プレストンかと錯覚しそうになるほどの熱唱ぶりが聞かれます。次の「Devil's Radio」がアンコール前を締めくくるというのもユニークなだけでなく、クラプトンほど派手なフレーズを弾かないキャンベルの職人プレイも新鮮です。そして極めつけは「While My Guitar Gently Weeps」。オープニングアクトの2組目を務めたゲイリー・ムーアが演奏に加わり、クラプトンのフレーズを意識しつつも、それでいて彼ならではの泣きのプレイを炸裂させるという貴重な共演を聴くことができます。それだけでなく、ジャパン・ツアーでは終盤でクラプトンからジョージにギター・ソロが移るという明快な展開がありましたが、ここでは終始ムーアが弾きまくっており、ジョージは合間で控えめなフレーズを入れるに留まっています。ジョージどころかムーアまでも亡くなってしまった今となっては、これもまた歴史的伝説的瞬間と呼べるものかと。さらにこのナンバーには、ジョージの盟友リンゴ・スターがドラムで参加!もうこれだけでこのコンサートが前年のジャパン・ツアーに優るとも劣らないものであることがお判りいただけるでしょう。リンゴは引き続き次曲にも参加しています。リンゴにとっても一生の思い出に残るコンサートなったことでしょう。アンコールラストには、ジョージの息子ダーニとオープニングアクトの1組目を務めたジョー・ウォルシュも参加してギターをプレイしています。何と豪華なアンコールでしょう!いろんな意味で、ジョージのキャリア上最高のコンサートだったと言っても過言ではないでしょう。ジャパンツアーと比べて俄然アイテムの少なかった、唯一の1992年ロンドン公演から、世界中のマニアを驚かせたこのオリジナル極上最長版完全収録マスターのアップグレードの素晴らしさをじっくりとご堪能下さい!リマスター・メモ ★録音者のマスターカセットよりダイレクト収録(THAT'S MRX PRO 90(Metal Position: Type IV) X 2本)。驚愕の完全初登場音源、しかも最高レベルの音質!★中高域を中心に補正。耳当たり重視の落ち着いたサウンド リマスターでよくある「迫力が増した」、とか「音圧がある」、とかとは真逆のリマスタリングとなってます ★同日別ソースで曲間を3箇所補填し、過去最長収録を実現(★今回3分ほど増加) 同日別ソースは下記で、同じしゃべりや拍手が聞こえる事から、互いに非常に近いポジションである事が分かる ★上記補填による収録時間の都合でDiscチェンジ位置を変更 Live at Royal Albert Hall London, UK 6th April 1992 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)*UPGRADE Disc 1 (75:35) 01. Introduction Joe Walsh: 02. Pretty Maids All In A Row 03. In The City 04. Life In The Fast Lane 05. Funk #49 06. Rocky Mountain Way Gary Moore: 07. Walking By Myself 08. The Sky Is Crying 09. The Blues Is Alright ★5:33-5:45補填 10. Still Got The Blues George Harrison: 11. I Want To Tell You 12. Old Brown Shoe 13. Taxman 14. Member Introduction 15. Give Me Love 16. Something ★Disc1から移動 Disc 2 (75:16) 01. What Is Life 02. Piggies 03. Got My Mind Set On You 04. Cloud Nine 05. Here Comes The Sun ★3:17-3:33補填 06. My Sweet Lord 07. All Those Years Ago 08. Cheer Down 09. Isn't It A Pity 10. Devil's Radio ★4:19-7:10補填 11. Introductions 12. While My Guitar Gently Weeps (with Ringo Starr, Gary Moore) 13. Roll Over Beethoven (with Ringo Starr, Joe Walsh, Gary Moore) 14. Drum Solo (Ringo Starr) 15. Roll Over Beethoven (with Dhani Harrison) 16. Outro. George Harrison with The Hijack Band: Mike Campbell - guitar Andy Fairweather Low - guitar Ray Cooper - Percussion Greg Phillinganes - Keyboards Will Lee - Bass Steve Ferrone - Drums Chuck Leavell - Keyboards Katie Kissoon - Vocal Tessa Niles - Vocal